研究課題/領域番号 |
17659422
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鈴木 保之 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60344595)
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研究分担者 |
宮田 寛 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80312479)
牧野 英司 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70109495)
佐川 貢一 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30272016)
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キーワード | 人工筋肉 / 心補助装置 / cardiomyoplasty / バイオメタル / コントロールデバイス |
研究概要 |
骨格筋を使用した心補助手術はCardiomyoplastyと呼ばれ1990年代にCarpentierらにより提唱され種々の臨床的検討が行われたが、骨格筋の疲労の問題、長期の臨床効果が満足なものではなかったことなどから現在ではあまり行われなくなった。一方、人工筋肉の開発が進み収縮力、操作量など本物の筋肉と比べて遜色ないものが出現してきている。また最近のものは少ない消費電力で有効な収縮を得られるようになり、種々のものへの応用が期待されている。この人工筋肉を用いて骨格筋の変わりに心臓補助デバイスが作成可能であれば疲労の問題も解決され、血液と直接接触しないことから抗凝固の必要も無い。 本年は人工心肺回路を使用したシミュレーション回路(ソフトバックを含む)を作成、ソフトバックに巻きつける心臓補助デバイス(人工筋肉使用)、駆動電源装置を作成した。回路内は水で満たし、心補助デバイスを駆動させソフトバック内の圧力を測定、その動作を確認した。回路内圧は心補助デバイスによりソフトバックが絞り込まれることにより約10mmHgの収縮期圧を発生し、収縮から弛緩までのサイクルは1.5秒間であった。実際の心臓は成人の場合収縮から弛緩までのサイクルは1秒でデバイスの1サイクルの短縮化が必要で、収縮期の時間の短縮は難しいが拡張期を短縮することは可能であると考えられ改良の余地があると考えられた。収縮力に対してどの程度の力が必要かは動物などの実際の心臓で測定する必要があるが、人工筋肉のファイバーの本数を増やすことにより対応可能であり、デバイスの改良が必要である。
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