研究課題/領域番号 |
17659424
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 克典 東北大学, 病院, 講師 (90323104)
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研究分担者 |
佐渡 哲 東北大学, 病院・助手 (20396485)
近藤 輔二 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (80281997)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
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キーワード | 肺移植 / 拒絶反応 / モニタリング / サイトカイン染色 |
研究概要 |
本研究は、末梢血Tリンパ球を用いた細胞内サイトカイン染色(intracellular cytokine staining,以下-CS)法が、肺移植レシピエントの免疫監視法として有用か否かを、ラット肺移植モデルを用いて検索しようとするものである。ICS法は、ある抗原に特異的に反応して炎症性サイトカインを産生するTリンパ球を、フローサイトメトリーを用いて定量的に(総細胞数に対する割合として)測定する免疫学的手法である。 BNラットをドナー、LewラットをレシピエントとしたMHC不適合の組み合わせで同所性左片肺移植を行った。移植肺にリンパ球の浸潤が起こり始める移植後3日目にレシピエントの大動脈より採血し、比重遠心法にてリンパ球を分離後、抗CD4抗体で標識した。これらリンパ球に膜透過処理をほどこした後、抗TNFα抗体を用いて細胞内サイトカイン染色を行い、フローサイトメトリーを用いてCD4陽性細胞中のTNFα陽性細胞の割合(TNFα/CD4)を測定した。この結果、上記MHC不適合の組み合わせの肺移植モデルにおいては、THFα/CD4は60.5%であり、コントロールとして用いた同系肺移植モデル(Lew→Lew)の31.4%、無処置Lewラットの18.0%と比較し、有意にTNFα陽性細胞の割合が上昇していた。このことから、レシピエント末梢血を用いたTNFαに対するICSが、比較的早期に移植肺拒絶反応を感知できる可能性が示唆された。
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