研究課題/領域番号 |
17659435
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
前田 寿美子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30344675)
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研究分担者 |
佐久間 勉 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90215674)
杉田 真 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70350791)
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キーワード | 移植・再生医療 / 免疫学 / 肺胞マクロファージ / 宿主免疫機能 |
研究概要 |
本研究の目的は、肺胞マクロファージの経気道的移植法を確立することである。移植は、ドナーマウスから肺胞マクロファージを肺胞洗浄によって採取し、経気道的にレシピエントマウスの肺内に投与する方法をとる。本研究により明らかにしようとすることは(1)経気道的に移植された肺胞マクロファージはレシピエントの肺内に生着するか、生着する場合、その数は時間経過と共に増加するのか、(2)レシピエントに対する化学療法や放射線照射などの前処置は、移植された肺胞マクロファージの生着率を改善するか、(3)ドナーの肺胞マクロファージはレシピエントの肺内で異物貪食、微生物除去などの機能を維持することが可能か、という3点である。 平成17年度は、はじめに、野生型C57BL/6マウスの血液および肺胞洗浄液(BALF)を回収し、その総細胞数および細胞分画を検討した。6週から8週齢のオス野生型マウスを犠牲死させ、開腹して腹部大静脈から採血した。気管から10mLの0.6mM EDTA/PBSを注入してBALFを回収した。血球計算盤により血液およびBALFの細胞数を求め、血液スメア標本とサイトスピンにより作成したBALF細胞標本はディフクイックを用いて染色し、300個の細胞を数えて細胞分画を算出した。その結果、血液中の有核細胞数は4.7±1.4E+6/mLであり、リンパ球が87±2.6%、好中球が7±2.1%、単球が4±1.6%、その他が1±0.6%を占めた。BALF中の総細胞数は0.85±0.21E+6個、分画はマクロファージが99.2±0.3%、リンパ球が0.8±0.3%を占め、好中球は観察されなかった。 以上から、野生型C57BL/6マウスのBALF中にはほぼ肺胞マクロファージだけが観察されることが判明した。肺胞洗浄により、ほぼ純粋な肺胞マクロファージ懸濁液が作成できることが示唆された。
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