研究課題/領域番号 |
17659446
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
新郷 哲郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50379749)
|
研究分担者 |
伊達 勲 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
三好 康之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
松井 利浩 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80362995)
|
キーワード | 電気刺激 / 神経幹・前駆細胞 / PSA-NCAM / 新生ニューロン / 細胞死 / 遊走 / 脳虚血 / 神経保護効果 |
研究概要 |
脳電気刺激により側脳室周囲の内因性神経幹・前駆細胞の増殖およびニューロンへの分化・遊走を刺激できるかどうか検討した。正常ラットの線条体内に刺激電極を留置し、無線電極を用いて1週間持続的に電気刺激を行った。これにより脳室下帯のPSA-NCAM、doublecortin陽性である神経前駆細胞の増殖を認め、その増殖のパターンは塊を形成し、神経幹細胞が分化したというよりむしろ神経前駆細胞が対称性に増殖しているように見えた。刺激を中止して1週間後に組織を検討すると、これらの細胞はさらに刺激電極の方へ遊走していた。一部は神経突起を伸長し、ニューロンへの分化を示す細胞も少数ながら認めた。刺激後1ヶ月では、doublecortin陽性細胞はほとんど消失し、電極周囲には新生ニューロンを少数認めたが、最初の増殖した細胞数より著明に減少していた。恐らく、新生細胞が細胞死を起こしたものと考えられた。現在、如何にしてその効果を持続させるか検討中である。 次に、脳電気刺激を脳虚血モデルに利用し、神経保護効果があるかどうか検討する。中大脳動脈一過性閉塞モデルラットを作成し、直後に脳梗塞境界領域の皮質上に電極を固定し、持続的に1週間刺激を行った。1週間後には、行動学的に電気刺激を行ったラットは改善を示し(storke scale)、その後取り出した脳では、電気刺激した周囲の梗塞巣が減少していた。現在、どの程度新生ニューロンが集積したのかなどを検討している。
|