研究課題/領域番号 |
17659466
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
斎藤 直人 信州大学, 医学部, 教授 (80283258)
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研究分担者 |
加藤 博之 信州大学, 医学部, 教授 (40204490)
小林 千益 信州大学, 医学部, 助教授 (40205464)
村上 成道 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (50334892)
堀内 博志 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (80377639)
池田 宇一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30221063)
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キーワード | 大腿骨頭壊死 / 骨髄単核球細胞 / 細胞移植 / 骨組織再生 / 血管再生 / デリバリーシステム |
研究概要 |
大腿骨頭壊死症は、ステロイドの使用などにより骨組織の血流障害をきたし、大腿骨頭が壊死、圧潰して股関節痛や歩行機能障害を生じる疾患である。しかし、現在その治療は、壊死した部分を加重部から非加重部へ移動させる骨切り術や人工関節置換術が行われることが多く、壊死した大腿骨頭を正常な状態に戻す根本的な治療法は確立されていない。本研究は、自家骨髄単核球細胞を大腿骨頭内の壊死部と正常部の境界領域に移植することにより、血管新生を誘導して血流障害を改善すること、及び骨組織形成に直接作用ことによって骨壊死を修復させることを目的とした、本疾患に対する全く新しい治療法の開発である。 本年度は骨髄単核球細胞移植による骨組織修復の研究を進めた。まず、マウス、ラット、ラビットなどの実験動物において、自家骨髄単核球細胞を採取し単離する技術、局所または静脈内に細胞を移植する技術を確立した。これらの自家骨髄細胞移植技術を、様々な骨組織障害部位に導入し、骨組織修復が達成できるかを検討した。すなわち、骨欠損の修復や骨折後の骨癒合不全における骨癒合促進などの骨修復、骨形成実験である。さらに、これらの骨組織の周囲軟部組織に、血管損傷や筋損傷などにより血流障害を生じさせ、骨髄単核球細胞移植による血流障害の改善とそれによる骨組織再生が生じるかを観察した。さらに、骨形成タンパクによる骨欠損修復および異所性骨形成の動物実験モデルにおいて、骨髄単核球細胞移植の有用性についても検討中である。 一方、骨髄単核球細胞を有効に局所に作用させるためのデリバリーシステムを開発している。多孔性の生体分解性ポリマー上で骨髄単核球細胞を培養し、デリバリーシステムとして機能する技術を研究中である.
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