研究課題
4週齢、ICRマウスの右脛骨を直視下に骨幹部骨折させ、26G針にて髄内固定を施行。骨折後、0・1・3・5・7・10・14・21・28日後に、骨折部を中心に約5mmの長さで骨折部周辺組織を回収し、1郡Aを抽出。各群N=10とした。抽出したRNAを鋳型として、逆転写の後、ホメオボックス遺伝子であるTbx4・Tbx5・Pitx1・HoxA10・HoxD10・HoxA11・HoxD11のTaqman Probeを用いてReal time PCRを行い、各遺伝子のmRNA発現を定量的に評価した。結果、骨折後3日目におけるPitx1遺伝子の発現のみが、骨折直後と比較して統計学的に有意な上昇を認めたが、その他の遺伝子の発現量は上昇を認めず、時間経過と共に減少していく傾向を示した。そこで、前述と同様に骨折モデルマウスを作成し、骨折を伴わない左脛骨を対照群とし骨折後0・1・3・5・7・10・14日後に骨折部および左脛骨骨幹部を採取し、1郡Aを抽出した。同一個体の非骨折部を対照とした結果、発現量のピークが異なり、骨折後7日目にPitx1遺伝子の発現量が約25倍と上昇した。その他の遺伝子発現は変化を示さなかった。部位特異性を評価するため、前腕骨骨折モデルを作成し、同様に骨折部から剛Aを抽出しホメオボックス遺伝子群の発現変動を検索した。結果、骨折後5日目をピークにTbx5の遺伝子発現上昇を認めたがその他の遺伝子の発現の変動を認めることはできなかった。上記の結果から、上肢骨の骨折治癒過程においては、上肢発生をつかさどるTbx5遺伝子が、下肢骨の骨折治癒過程においては、下肢発生の一部をつかさどるPitx1遺伝子が発現上昇を認めた。これら転写因子の骨折治癒に関わる役割は不明であるが、上肢や下肢といった部位を認識した組織修復のメカニズムの一部を担っていることが推測される。
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