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2005 年度 実績報告書

軟骨細胞のシグナル伝達制御による変形性関節症の治療に関する先駆的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17659481
研究機関独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター)

研究代表者

福井 尚志  独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 病態総合研究部, 研究部長 (10251258)

研究分担者 鈴木 隆二  独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診断治療研究部, 研究部長 (70373470)
越智 隆弘  独立行政法人国立病院機構相模原病院, 病院長 (80112035)
キーワード軟骨細胞 / 表現型 / 変形性関節症 / インテグリン / 細胞外マトリクス
研究概要

研究の当初、細胞外マトリクスが一次培養軟骨細胞の与える影響を評価するために、ヒト関節軟骨から軟骨細胞を単離して種々のマトリクス成分でコートした培養皿を用いて単層培養を行い、マトリクスが軟骨細胞の基質産生に与える影響を評価した。この結果は我々の予想に反してマトリクスへの接触は細胞の脱分化の過程に少なくとも我々の実験方法ではほとんど影響を与えないことが明らかになった。
ついで我々は単層培養で関節軟骨細胞を維持した場合に見られる脱分化の過程にインテグリンが関与するという仮説を検証するために、関節軟骨細胞に発現しているインテグリンの発現をRNAiの手法を用いて抑制したところ、インテグリンα5およびβ1の発現を抑制した場合に脱分化の過程におけるI型およびIII型コラーゲンの発現誘導が顕著に抑制されることを見出した。このことから我々はこの2種のインテグリンが脱分化の過程における病的なコラーゲンの発現誘導に関与している可能性を考えている。他方、インテグリンα1、α2、α10、およびβ3の発現抑制も行ったがこれらのインテグリンの発現を抑制しても脱分化の過程におけるマトリクス遺伝子の発現低下、誘導には有意の影響は観察されず、このことからこれらのインテグリンは少なくとも軟骨基質から単離された関節軟骨細胞において、通常の手法で単層培養された場合に観察される脱分化の過程では有意の役割を果たしていないのではないかと考えられた。
変形性関節症に罹患した関節軟骨では正常軟骨ではほとんど発現されていないファイブロネクチンやIII型コラーゲンの発現が強く誘導される。ファイブロネクチンはα5β1インテグリンに対するリガンドであるため現在我々はOAにおいて当初誘導されたファイブロネクチンがα5β1インテグリンを介して細胞内信号伝達の異常を引き起こし、この結果としてIII型コラーゲンの発現を誘導するのではないかという仮説を持っており、今後の研究においてこの仮説の検証を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Endoscopic anterior reconstruction using a computer-assisted fluoroscopic navigation system.2006

    • 著者名/発表者名
      Hiraoka H, Fukui N, et al.
    • 雑誌名

      J Orthop Sci 11

      ページ: 159-166

  • [雑誌論文] Effect of GDF-5 on ligament healing.2006

    • 著者名/発表者名
      Tahiro T, Fukui, N, Suzuki R, Ochi T, et al.
    • 雑誌名

      J Orthop Sci 24

      ページ: 71-79

  • [雑誌論文] Production of interlrukin-6 and interleukin-8 by nurse-like cells from rheumatoid arthritis patients after stimulation with monocytes.2005

    • 著者名/発表者名
      Tanaka K, Fukui N, Suzuki R, Ochi T, et al.
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol 15

      ページ: 415-422

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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