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2005 年度 実績報告書

ラット脊髄後角における痛覚伝達機構の加齢による変化

研究課題

研究課題/領域番号 17659484
研究機関新潟大学

研究代表者

岡本 学  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70303146)

研究分担者 馬場 洋  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)
キーワード脊髄 / 痛覚伝達 / パッチクランプ法 / 加齢 / 電気生理
研究概要

1、in vivoパッチクランプ記録による結果
全身麻酔下に人工呼吸しながら、腰仙部の椎弓切除を行った後ラットを定位固定装置に固定し、脊髄硬膜を切開し、くも膜と軟膜に記録電極刺入用の孔をあけ、脊髄表面を酸素化加温人工脳脊髄液で灌流した。実体顕微鏡下に脊髄へ記録電極を刺入し、脊髄後角第二層神経細胞(SGニューロン)からホールセルパッチクランプ(WPC)記録を行い、自発性活動や後肢刺激にて誘起される反応を観察した。若年成熟ラット(Adult)では膜電位を-70mVに固定すると自発性の興奮性シナプス電流(EPSC)が観察された。後肢の非侵害刺激および侵害刺激でEPSCの頻度と振幅が増加した。
老齢ラット(Aged)では、自発性の興奮性シナプス電流(EPSC)が観察されるが、その発生頻度がAdultのそれに比べ頻度が多い傾向であった。また後肢刺激によるEPSCの促進反応もAdultのそれに比べ大きい傾向であった。それぞれ記録細胞数がまだ少ないため統計的有意差を出すに至っていない。
2、in vitroパッチクランプ記録による結果
全身麻酔下にラット腰部脊髄を摘出し、後根付脊髄スライス標本を作成する。SGニューロンよりWPC法にて興奮性・抑制性シナプス後電流(EPSC・IPSC)を記録した。Adultでは静止膜電位は-64.5±6.1mVであり自発性EPSC・IPSCの電流量は14.1±2.3・17.3±2.4pAで、発生頻度は24.2±3.5・6.3±1.3Hzであった。また、後根を刺激して誘発されるEPSCを記録して反応の刺激閾値と潜時よりAβ、Aδ、C線維由来のものに分離した。また、刺激誘起EPSCを単シナプス性と多シナプス性に分類し解析した。その結果、刺激閾値はAβは15±1μA、0.05ms、Aδは26±1μA、0.05ms、Cは262±23μA、0.5msであり、伝導速度はAβは25.8±1.2m/s、Aδは7.9±0.3m/s、Cは0.8±0.1m/sであった。83細胞中Aβ線維由来の単シナプス性EPSCが3%、Aβ線維由来の多シナプス性EPSCが25%、Aδ由来の単シナプス性EPSCが35%、Aδ由来の多シナプス性EPSCが8%、C線維由来の単シナプス性EPSCが31%の割合で記録された。一方、Agedは脊髄スライス標本からの記録が困難のためデータ数が少数であるが、前述の各計測値においてはAdultと同様な傾向であると思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Actions of norepinephrine and isoflurane on inhibitory synaptic transmission in adult rat spinal cord substantia gelatinosa neurons.2006

    • 著者名/発表者名
      Georgiev SK
    • 雑誌名

      Anesthesia and Analgesia 102・1

      ページ: 124-128

  • [雑誌論文] Actions of Midazolam on Excitatory Transmission in Dorsal Horn Neurons of Adult Rat Spinal Cord.2006

    • 著者名/発表者名
      Kohno T
    • 雑誌名

      Anesthesiology 104・2

      ページ: 338-343

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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