研究課題/領域番号 |
17659500
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
中井 正治 福井大学, 医学部, 助手 (50372496)
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研究分担者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
三輪 吉司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (10209968)
棚瀬 和弥 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (00359720)
松田 陽介 福井大学, 医学部, 助手 (90345687)
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キーワード | ストレス / 性機能 / 遺伝子 / 副腎性アンドロゲン / DHEA / レプチン / シグマ受容体 |
研究概要 |
これまで社会的ストレスを与えた雄性ラットに性行動障害を含めた性機能障害が発生し、テストステロンの低下とともに性中枢である内側視索前野に最初期遺伝子(c-fos)の発現がみられることを初めて報告してきた。その社会的ストレスとして孤独/闘争-敗北刺激をラットに負荷してきた。しかし社会的ストレスは種々雑多であり、他のストレスについても性機能への影響を検討する必要があると考え、新たなる心理ストレス負荷としてコミュニケーションボックスを用いて性機能の変化を検討した。その結果、 1)コミュニケーションボックスにて電撃刺激を与えた雌性ラットを視た雄性ラットには性行動障害が認められる。主に性行動潜時の延長がみられた。 2)闘争-敗北ラットにも同様に性行動潜時の延長がみられ、これはDHEA投与により改善する。 3)脳シグマ1受容体のantagonistであるNE-100をあらかじめ投与しておいてからDHEAを負荷すると性行動潜時の延長の改善が認められない。 4)コミュニケーションボックスを用いて作成した性行動障害ラットの内分泌学的検討を行うと、ストレスホルモンであるグルココルチコイドの増加、遊離テストステロンの増加とともにDHEAの低下が認められた。レプチンの減少も認められた。 以上の結果は、ストレスに起因する性行動障害が副腎性アンドロゲンであるDHEAの産生低下をもたらし、これが脳シグマ1受容体を介して性行動を低下させる可能性が示唆された。このようなDHEAのニューロステロイドとしての働きと、レプチンがどのように性機能に関与していくのか、今後検討する予定である。またDHEAの作用点、作用メカニズムについても遺伝子学的に検討したい。
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