研究分担者 |
公文 裕巳 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30144760)
雑賀 隆史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10314676)
江原 伸 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70379741)
賀来 春紀 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60346426)
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研究概要 |
研究協力者である北京大学理学部生化学教室・助教授Yu Leeにより作成された生分解性ポリマーであるNDT-001を用いて初年度計画案に沿って研究を実施した。 1)生分解性ポリマーの作成と遺伝子の封入 作成されたNDT-001と封入するDNAの割合を20:1として作成した。用いた遺伝子はGFP遺伝子およびREIC遺伝子である。また対比として市販のポリマーCytoPure-cmmも使用した。 2)細胞への導入実験 ヒト前立腺癌細胞DU145,LNCaP,PC3,マウス前立腺癌細胞RM-9を用いた。 96時間後の導入効率はそれぞれ以下の結果であった。 NDT-001 DU145:26%,LNCaP:7%,PC3:3%,RM-9:7% CytoPure-cmm DU145:22%,LNCaP:4%,PC3:2%,RM-9:6% 3)アポトーシス誘導による治療実験 治療遺伝子としてREIC遺伝子を封入したポリマーを作成し前立腺癌細胞に対するアポトーシス誘導作用を検討した DU145、RM-9において対照群に比して有意にアポトーシス誘導作用を認めた。 またポリマーそのものによる有意な殺細胞効果は認められなかった。 初年度の研究成果として、ポリマーによる前立腺癌細胞への遺伝子導入が確認され、治療遺伝子導入による治療効果も確認された。しかし他の遺伝子導入ベクターに比べて導入効率が有意に高いとは言えずまた、細胞の種類によって導入効率に差があることが明らかになった。安全性に関してもin vitroにおいて確認された。
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