研究課題/領域番号 |
17659522
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
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研究分担者 |
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80189498)
立花 利公 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80163476)
大井 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80385301)
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キーワード | 卵子 / 受精卵 / 体外受精 / 酸素呼吸量 / 酸素電極 / 不妊治療 / 溶存酸素測定器 / 酸素透過膜 |
研究概要 |
少子化の傾向がおさまらない現在、不妊治療に注目が集まっている。不妊治療の一つに体外受精(IVF)がある。この際、精子の活性(activity)はその数と運動能から予測することができる。しかし、卵子あるいは受精卵においてはそのactivityをみる方法がない。一方、受精卵は1回に3個まで子宮に戻すことが認められているので、いかに良い受精卵を子宮に戻せるかが大きな課題となる。そこで細胞の代謝は酸素呼吸量により営まれていることに着目し、呼吸量が多いほど受精卵のactivityは高いと考えた。呼吸量の大きい受精卵を子宮に戻すことによって着床率は上げられるはずである。そこで平成17年度は、卵子あるいは受精卵1個が入った培養液中の溶存酸素量を短時間で計測するための酸素電極を用いた溶存酸素測定装置を開発し試作した。この装置ALOX-1は我々とアロカ(株)と共同で開発したものである。すなわち微小酸素電極を用いて無侵襲的に卵や受精卵の呼吸を測定することができる。ガラス容器の真中に精密なチャンバーがあり、ベースユニットの下部より電極を挿入して先端の酸素透過膜がチャンバーの底部に固定される。チャンバーはウォータージャケットで囲まれているので、恒温水を循環し、温度を安定させて測定をすることができる。チャンバー内にはすり鉢状のユニット(培養液5μl中に卵子あるいは受精卵が入る)があり、卵あるいは受精卵を電極の中心に誘導し、卵のような極微小なサンプルの酸素消費量の測定を可能にした。平成18年度からは本装置を用い、マウスの卵子と受精卵の活性の高いものを選択する最良の方法の開発と試作装置の改良を行う予定である。
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