研究課題/領域番号 |
17659522
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
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研究分担者 |
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80189498)
立花 利公 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80163476)
大井 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80385301)
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キーワード | 卵子 / 受精卵 / 細胞呼吸 / 溶存酸素測定装置 / 酸素電極 / 卵子・受精卵の活性 / 溶存酸素消費量 |
研究概要 |
ヒトにおける体外受精では受精後4から8割球期、あるいは桑実胚期や胚盤胞期に進んだ卵(胚)を母胎に移植するが、過排卵で得られた複数の胚(数個〜十数個)から良質な胚を(最大3個)選ぶ必要がある。通常、顕微鏡により細胞の大きさや形状、フラグメントの有無などにより胚の品質を分類し、高いグレードの胚を選択、移植するが、胚の選択にあたって科学的根拠に乏しい。したがって従来の方法で選んだ胚では必ずしも順調に育つとは限らないため複数の胚が戻されるが、患者に取り大きな身体的リスクとなる多胎妊娠がある一方で、出産に至らないケースもあるのが現状である。 今回、検討された測定コンセプトを検証するための測定系を構築し、マウス胚を用いて性能を評価した。 ヒト移植胚の選択で要求される呼吸測定の精度・信頼性の水準がどの程度になるかは不明だが、測定感度に関しては実用レベルに達していると考えられる。 また、マウス胚の酸素消費量は白血病由来細胞HL60(対数増殖期)の2倍程度に過ぎないことから、今回得られた結果は少数の細胞による細胞毒性検査や薬剤感受性試験、細胞機能(検査)研究の可能性を示すものである。細胞に対し非侵襲的かつ経時的に計測できる特長とあわせ、試薬を用いる一般的な手法とは異なる用途が可能と考えられる。 実用化ではMEMS技術の利用、多チャンネル化によりチャンネルあたりのコストを相当下げることが必要と思われるが、電極の形成にはシリコン基板が必要であり、利用者の要求水準までコストを下げるためにはまだ多くの課題が残っている。
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