研究課題/領域番号 |
17659544
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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研究分担者 |
大石 健太郎 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (80345826)
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キーワード | バーデット・ビードル症候群 / 細胞分裂 / 中心体 / YPELファミリー遺伝子 / 分裂装置 / ゲノム解析 / 遺伝子重複 / 分子進化 |
研究概要 |
YPELファミリータンパク質は、事実上すべての真核生物に存在して極めて高い相同性を保持しており、その遺伝子コピー数(パラログ数)は高等な生物ほど多い傾向がある。またこのファミリーのメンバータンパク質は、中心体や紡錘体に局在し、細胞周期の進行とともに局在が変化する。特にYPEL5タンパク質は、間期には主に核に、分裂中期には紡錘体上に局在し、さらに細胞質分裂時にはミッドボディーに局在を大きく変化することを昨年度報告した。今年度はYPELファミリータンパク質が、細胞分裂関連タンパクでSer/Thrタンパクキナーゼ活性を持つAuroraファミリーやバーデット・ビードル症候群(BBS)原因遺伝子タンパク質の中心体における挙動とどのように関連するを検討した。BBS症候群の原因遺伝子のうちBBS4、BBS6、BBS8は中心体や微小管に強く相互作用すると考えられている。またAuroraファミリーも中心体、紡錘体に局在している。特にAuroraタンパクとYPEL5タンパク質に関しては、実際にAurora-AとAurora-B特異的抗体を用いてYPEL5抗体との二重染色を行い、YPEL5とAuroraタンパクの存在場所・場面が比較的近く、相互作用している可能性が示唆された。YPELファミリータンパクは、Auroraファミリータンパクのように、細胞分裂間の様々な局面で多彩に機能を発揮している可能性が大きいと考えられる。また、YPELファミリーの各メンバーのcDNAをベイトとしてイーストツーハイブリッド法(Y2H)を行った。まずは機能解析の進んでいるYPEL5を優先に行い、相互作用タンパク質を出来る限り多く同定することを目指した。今回の実験では、BBS症候群の原因遺伝子やAuroraファミリー遺伝子は同定されなかったが、数種類の細胞分裂関連遺伝子や機能未知遺伝子を同定した。現在は同定した遺伝子の細胞内局在解析を行っており、まもなく論文投稿の予定である。
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