研究概要 |
マウス骨髄細胞もしくはヒト末梢血細胞の分離を行い、培養系を確立した。特に、血管系へと分化する血管内皮前駆細胞へ、培養系を使って分化させることが出来た。細胞表面マーカーとしてはCD31,VEGFR1(KDR) VECAM1などを用い、それらの発現を確認した。また、培養血管前駆細胞を使ってコロニー形成能(CFU-E)を測定し、定量比較することを出来るようにした。内皮以外ではマクロファージ系細胞への未分化細胞からの分化培養系を確立しつつある。コロニー形成能(CFU-GM,CFU-M)を比較検討できるよう現在メソッドを洗練させているところである。予備実験ではCFU-E, CFU-GMが個人によって相関しないことを確認することが出来、これは系としての有効性を示す。培養細胞と骨髄細胞とのin vitroでの細胞融合を試みるため、まず、血管内皮細胞との共培養を試みた。骨髄細胞、末梢血幹細胞としてまず、単球群と上記で誘導した血管前駆細胞を使用した。共培養により血管内皮細胞の管腔形成能が上がること、また、人によりその誘導機能に差が有る可能性があることがわかった。現在、融合現象が関与しているのか確認中であるが、融合頻度はあるとしても低いようで更なる培養システム、条件の改善が必要と考えられる。
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