研究課題/領域番号 |
17659551
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70191963)
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研究分担者 |
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (60273447)
櫻井 英二 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30305528)
倉知 豪 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (80405159)
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キーワード | 網膜血管内皮 / ICAM-1 / siRNA / lipofectamine |
研究概要 |
本研究では、正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞を高濃度のグルコースにより刺激してICAM-1の発現を増強させ、その細胞内にICAM-1を標的とするsiRNAを導入し、ICAM-1の発現が抑制されるかどうかを検討した。 【方法】正常ヒト臍帯静脈血管内皮を24well plateにまき、24時間後、IL-1β及び、グルコース(15,30 45mM)を作用させた。また、lipofectamineとICAM-1標的siRNAの複合体を作製し、作用させた。6時間後培養i液を交換し、48時間後、細胞を洗浄し、ELISAでICAM-1のたんぱく質量を定量した。 【結果】ICAM-1の発現量はIL-1βで刺激したものを100%とすると、15mMグルコースで刺激したものは33%、30mMグルコースで刺激したものは47%、45mMグルコースで刺激したものは65%でグルコースの濃度依存性に発現の増強が認められた。また、siRNAを導入した正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞では、ICAM-1の発現量は、IL-1βで刺激したものは約70%、45mMグルコースで刺激したものは約47%と有意に抑制された。 【結論】以上の実験結果により、siRNAは正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞において、高濃度のグルコースにより発現が増強したICAM-1の発現制御が可能であり、糖尿病網膜症に対する新しい治療法として今後期待できると考えられた。
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