研究課題/領域番号 |
17659573
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
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研究分担者 |
高橋 一郎 東北大学, 病院・講師 (70241643)
畠山 純子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50374947)
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キーワード | 歯胚 / 移植 / 歯根形成 / 遺伝子導入 / siRNA / シグナル分子 / 歯周組織 / 近交系ラット |
研究概要 |
本研究計画ではin vivoで歯根形成を誘導する因子を探り、その分子メカニズムを解明することを目的とする。平成17年度では、近交系ラットであるLewisラットを用いて同種間で皮下に他家移植した歯胚の歯根伸長を促す実験系の確立を目指した。生後2週齢のLewisラットから上顎または下顎の第一臼歯、第二臼歯、及び第三臼歯の歯胚を周囲の骨組織を含めて一括して摘出し、生後2週齢または4週齢のLewisラットの背部皮下に他家移植した。比較の対象として、クローズドコロニーに由来する一般のWistarラットに対しても同様の移植実験を施した。移植後2、3および5週でラットを灌流固定し、試料を脱灰して包埋し、切片を組織学的に検討した。Wistarラットを用いた他家移植では、移植組織のほとんどが壊死していた。一方、Lewisラットを用いた移植実験では、各歯胚が生着し象牙質の形成も認められた。さらに、特に第三臼歯では歯根が伸長し、その周囲に歯槽骨と歯根膜の形成も観察された。個体間の遺伝的変異が少ないLewisラットを用いて、免疫的な拒絶を起こさない歯胚および周囲組織の他家移植実験系の基本型が現段階で確立できた。平成18年度では、実験系にさらに検討を加え歯根を効果的に伸長させる実験条件を探るとともに、歯根を伸長させる条件下で歯根の周囲組織にどのような分子が発現するのかについて検索を開始する予定である。
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