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2006 年度 実績報告書

ヒトマラッセ上皮遺残細胞による発現遺伝子の網羅的解析と不死化細胞の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 17659599
研究機関九州大学

研究代表者

前田 英史  九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)

研究分担者 赤峰 昭文  九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (00117053)
キーワードヒト歯根膜細胞 / SV40 large T抗原 / hTERT / マラッセ上皮遣残細胞 / アメロジェニン
研究概要

矯正治療を目的として来院した患者より抜歯した小臼歯歯根の中央3分の1より採取した歯根膜組織をケラチノサイト選択培地にて培養し、郵送してきた細胞が形態的に上皮細胞の特徴を示していたことからマラッセの上皮遺残細胞と判断した。つぎにこの上皮細胞にSV40 large T抗原をコードする遺伝子(SV40T-Ag)とヒトテロメレース逆転写酵素をコードする遺伝子(hTERT)とを導入し不死化を行った。その結果、同培地中で培養した細胞に2種類の細胞が混在することが明らかになった。一方は上皮様の形態的特徴を示し、他方は線維芽細胞様の特徴を示した。これらの細胞の遺伝子発現について検討したところ、上皮細胞に特徴的なcytokeratin5及び16ならびにE-cadherinのmRNAを発現した。またマラッセ上皮遺残細胞のマーカーとされるp75及びtrkAの発現も観察された。さらにエナメルタンパクであるameloblastin,enamelinそしてamelogeninを発現し、エナメル芽細胞としての特徴も維持していた。そして近年、マラッセ上皮遺残細胞がセメント芽細胞に転換するとの報告から、セメント芽細胞に発現するf-spondin及びCP23の発現も認められた。
以上の結果から、今回の培養において認められた線維芽細胞様の細胞は、マラッセ上皮遺残細胞様の細胞が上皮間葉転換を起こしたことに起因する可能性が示唆された。今後、この細胞のクローニングを行い単一の細胞株とし、その特徴について詳細に検討していく必要がある。そして、セメント質の形成や歯根膜組織の維持へのマラッセ上皮遺残細胞の関与について明らかにしていこうと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] レジン系根管充填用シーラーの細胞毒性に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      吉嶺嘉人, 西垣奏一郎, 松本妃可, 小野真紀子, 前田英史, 赤峰昭文
    • 雑誌名

      日本歯内療法学会雑誌 28・1

      ページ: 38-44

  • [雑誌論文] Cloning and characterization of the annexin II receptor on human marrow stromal cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Lu G, Maeda H, Reddy SV, Kurihara N, Leach R, Anderson JL, Roodman GD
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 281・41

      ページ: 30542-30550

  • [雑誌論文] MTA及びSuper-Bondのヒト歯根膜細胞の骨芽細胞様分化に及ぼす影響に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      野田亮, 前田英史, 藤井慎介, 和田尚久, 友清淳, 吉嶺嘉人, 赤峰昭文
    • 雑誌名

      日本歯内療法学会雑誌 27・3

      ページ: 126-131

  • [雑誌論文] Er : YAGレーザーの根管内照射による影響-歯根表面温度の変化について-2006

    • 著者名/発表者名
      松本妃可, 吉嶺嘉人, 赤峰昭文
    • 雑誌名

      日本歯科保存学会雑誌 49・6

      ページ: 749-754

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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