研究概要 |
申請者は自己由来PRPが新生骨誘導のためのより良いキャリア,あるいはスキャフォールドとして有効に用いることができるか否か,新生組織の誘導にどのような影響を与えるかを調べるため,BMP-血液由来生理活性物質を複合化し,in vivoにおける新生骨誘導能の検討を行う.BMPは,Uristらの方法に準じて脱灰牛皮質骨より抽出・部分粗精製を行った.26週齢ddyマウス雄(体重約50g)より血液450μl採取,血液保存液50μlと混和,下記の処理した.(1)遠心分離を行わない全血液成分をホール(以下W)(2)Wを2400rpmにて5分間遠心分離を行い沈査した血球成分(以下RC)(3)上清をさらに3600rpmにて15分間遠心分離し,沈渣の表層部のみを回収したものを多血小板血漿(以下PRP)(4)上清として得られた貧血小板血漿(以下PPP).W,RC,PPP,PRP中のTGF-β1含有量は,ELISAキットを用いて測定した.得られた結果はコンピュータ統計ソフトSTAT VIEWによるANOVA testを行った.W,RC,PRP,PPPそれぞれ100μlに,100Uトロンビン(持田製薬製)+10%塩化カルシウム10μlを加えゲル状にしたものを血液由来生理活性物質とし実験に用いた.各血液由来生理活性物質(前記W, RC, PRP, PPPの4種)70μlにBMP3mgをゼラチンカプセル内で混合した複合体をマウスに移植した.(それぞれをW群,RC群,PRP群,PPP群とする.)またコントロールとして血液由来生理活性物質の代わりに生理食塩水を用いた.移植は各群20ずつ行い,移植3週後に屠殺し,放射線を用いた画像診断と病理組織学的観察を行った.結果の解析は平成18年度に行う予定である.
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