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2006 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤・転移に関わる新規因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17659635
研究機関広島大学

研究代表者

小川 郁子  広島大学, 病院, 講師 (70136092)

研究分担者 工藤 保誠  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50314753)
キーワード口腔扁平上皮癌 / 浸潤 / 転移 / periostin
研究概要

我々は、口腔扁平上皮癌(OSCC)の浸潤・転移に関わる新規因子を発見することを目的に、OSCC患者の頚部転移巣より樹立した細胞株とその細胞株よりin vitro invasion assay法を応用して分離した高浸潤能細胞株をcDNA microarray法を用いて、OSCCの浸潤・転移に関わる新規因子として、Periostinを同定した。Periostinの発現は、癌組織において強く、浸潤態度とよく相関していた。Periostin遺伝子をPeriostinの発現のみられない細胞株に遺伝子導入したところ、in vitroで浸潤能と軟寒天培地上でのコロニー形成能を増強させるとともに、ヌードマウスの同所移植モデルではコントロール細胞では、転移がみられなかったにもかかわらず、Periostin導入細胞では、高頻度に頸部リンパ節および肺に転移を来したことから、PeriostinがOSCCの浸潤・転移に深く関わることが証明された。さらに、血管内皮細胞にPeriostinタンパクを投与したところ、血管の増生を促進し、 OSCC症例におけるPeriostinの過剰発現と血管数の増加に有為な相関を認めた。また、 Periostinが分泌タンパクであることから、マウス腫瘍移植モデルで、血清でのPeriostinの発現をELIZA法を用いて、検討した結果、腫瘍を移植したマウス血清中で、高い発現を示したことから、今後、OSCC患者の血清を用いた検討を行いたい。Periostin遺伝子導入細胞とコントロール細胞をマイクロアレイ法により比較検討したところ、MMP群やSERPIN群の遺伝子のup-regulationが認められた。今後の課題としては、OSCCにおけるPeriostinの過剰発現のメカニズムとPeriostinの浸潤に関わるメカニズムの詳細を明らかにすることが必要と考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] VEGF-C is associated with lymphatic status and invasion in oral cancer.2007

    • 著者名/発表者名
      Siriwardena BSMS 他
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Pathology (印刷中)

  • [雑誌論文] Periostin : Novel diagnostic and therapeutic target for cancer.2007

    • 著者名/発表者名
      工藤保誠 他
    • 雑誌名

      Histology and Histopathology (印刷中)

  • [雑誌論文] Periostin promotes invasion and anchorage-independent growth in the metastatic process of head and neck cancer.2006

    • 著者名/発表者名
      工藤保誠 他
    • 雑誌名

      Cancer Research 66

      ページ: 6928-6935

  • [雑誌論文] Periostin is frequently overexpressed and enhances invasion and angiogenesis in oral cancer.2006

    • 著者名/発表者名
      Siriwardena BSMS 他
    • 雑誌名

      British Journal of Cancer 95

      ページ: 1396-1403

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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