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2005 年度 実績報告書

咀嚼が海馬神経幹細胞の増殖・分化・維持に与える影響について

研究課題

研究課題/領域番号 17659645
研究機関北海道大学

研究代表者

小口 春久  北海道大学, 名誉教授 (30124689)

研究分担者 三留 雅人  北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (50261318)
白川 哲夫  北海道大学, 北海道大学病院, 助教授 (00187527)
キーワード咀嚼 / 摂食 / 粉末食 / ニューロン / 神経幹細胞 / 海馬 / 歯状回 / 再生医療
研究概要

咀嚼がマウスの中枢神経に与える影響を,海馬歯状回の神経幹細胞の分化動態を指標に調べた。生後4週のマウス(C57BL/6,メス,N=79)を,1)固形食投与群(通常のマウス飼育用固形食を与えたもの),2)粉末食投与群,および3)臼歯部抜歯+粉末食投与群の3群に分け10週間飼育した。次に体重あたり50μg/gのbromodeoxyuridine (BrdU)を1日1回12日間,腹腔に投与した。投与後,各群の半数に灌流固定を行った。残りの半数はそれぞれの条件でさらに5週間飼育した後,灌流固定を行い,脳切片を作成した。切片は,各スライスの中のBrdU陽性細胞をカウントし,海馬歯状回あたりの全陽性細胞数を求め,各群の差を比較した。さらに,飼料中のカロリーや体重の変動が与える影響を調べるために,固形食群に玄米(高カロリー食)を,粉末食投与群には玄米を粉末にしたものを中心にそれぞれ与え,普通食と同様の評価を行った。
海馬の歯状回のBrdU陽性細胞は,BrdU投与直後では,3群間で差は認められなかったが,5週間後では,固形食投与群に比べて,粉末食投与群および臼歯部抜歯+粉末食投与群でBrdU陽性細胞が有意に低下していた。また,玄米を与えた場合,普通食を与えた場合に比べて体重が有意に増加した。しかし,普通食投与実験と同様に,BndU陽性細胞は,BrdU投与直後では玄米群と粉末玄米群では有意差がなかったが,5週間後では,玄米群に比べ,粉末玄米郡で有意に低下していた。
以上のことから、臼歯欠損や軟食摂取が海馬歯状回中の神経幹細胞の分裂数には影響を与えないが,分裂した細胞の生存率を低下させることを示した。また,高カロリー食や,体重の増加は,これらの結果に影響を与えないことが判明した。現在,咀嚼に関する情報がどのような神経回路を経由し,海馬に入力しているのか,検討中である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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