平成17年度に非接触型レーザー表面形状測定装置を用いて、白色硬石膏の微細表面構造計測の有効性と精度について確認した。 平成18年度に入り、研究協力者の中国北京大学口腔医学院児童口腔科(葛立宏教授)のもとで家族性に出現したエナメル質形成不全症の症例が発見された。22名の家族中、10名にエナメル質形成不全症がみられた。生存する18名について問診、口腔内診査、口腔内写真撮影、X線写真撮影を実施した。さらに一部からは血液を採取した。4人の小児については精密印象による歯列石膏模型を採得した。歯列石膏模型はすぐに副模型を作成し、北京大学口腔医学院児童口腔科所属で現在九州大学大学院歯学府小児口腔医学分野に大学院生として留学中の呉南歯科医師が、本邦に持ち込み、非接触型レーザー表面形状測定装置で表面形状を計測した。 被験者に対しては、北京大学のスタッフが予め研究の趣旨を十分に説明し了解を得た上で実施した。また、エナメル質形成不全症の小児に対しては、北京大学にて、ブラッシング指導、フッ素塗布を頻繁に行い、う蝕の予防に留意している。
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