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2007 年度 実績報告書

歯周病原細菌の免疫監視からのエスケープ機構と慢性感染の成立

研究課題

研究課題/領域番号 17659655
研究機関新潟大学

研究代表者

山崎 和久  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)

研究分担者 中島 貴子  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
キーワードTLR / IRAK-M / Porphyromonas gingivalis / Lipopolysaccharide / マクロファージ
研究概要

歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis (P.gingivalis)由来のLipopolysaccharide(LPS)は,腸内細菌であるEscherichiacoli(E.coli)由来のそれとは異なる生物活性を持っており,毒性や宿主細胞に対する炎症性サイトカイン誘導能は低いことが報告されている。しかしながら活性の違いがなぜ生じるかについての詳細については明らかとなっていない。TLRシグナリングnegative regulatorがP.gingivalis LPSに対する宿主細胞の低応答性に関与している可能性に注目し,P.gingivalis LPSによるマクロファージにおけるTLR signaling negative regulatorの発現動態について検討した。Myelomonocytic cell line, THP-1をPMA(200nM)を添加した10%FCSを含むRPMI1640培地にて48時間培養し,マクロファージに分化させた。分化した細胞に抗原としてP.gingivalis,E.coliの各菌種由来LPS(0.01,0.1,1μg/ml)を10%FCS存在下で添加し刺激した。刺激後24時間における培養上清中のTNF-α,IL-6,IL-12産生量をELISA法にて検討した。また,刺激後のIRAK-1, IRAK-M mRNA発現の経時的変化をReal-time PCR法にて,IRAK-1,IRAK-M,SOCS-1,SHIPのタンパク発現をWestern blot法にて検討した。また,刺激後9時間におけるNF-κBの活性化をELISA法にて検討した。さらにIRAK-M特異的siRNA(40nM)をトランスフェクトしてノックダウンし,同様の実験を行った。その結果、P.gingivalis LPS刺激によるIRAK-MのmRNA発現およびタンパク発現はE.coli LPS刺激によるものと比較して有意に増強されていた。いずれの菌種由来LPS刺激においてもRAK-1のmRNA発現に変動は認められなかった。一方、P.gingivalis LPS刺激9時間後以降において,IRAK-1の分解が抑制された。また、IRAK-M特異的siRNAによりP.gingivalis LPS刺激9時間後におけるIRAK-1の分解が促進され、P.gingivalis LPS刺激9時間後におけるNF-κBの活性化が促進された。以上より、P.gingivalis LPSは,マクロファージにおけるIRAK-M発現を特異的に増強してその下流のシグナル伝達を抑制することにより,宿主細胞の低応答性に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Early and preferential induction of IL-1 receptor-associated kinase-M in THP-1 cells by LPS derived from Porphyromonas gingivalis2008

    • 著者名/発表者名
      Domon H., Honda, T., Oda T., Yoshie H, Yamazaki K.
    • 雑誌名

      Journal of Leukocyte Biology 83

      ページ: 672-679

    • 査読あり
  • [学会発表] Differential induction of interleukin-1 receptor-associated kinase-M in THP-1 cells by lipopolysaccharide derived from Porphyromonas gingivalis2007

    • 著者名/発表者名
      H. DOMON, T. HONDA, T. ODA and K. YAMAZAKI.
    • 学会等名
      13th International congress of mucosal immunology
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2007-07-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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