研究課題/領域番号 |
17659659
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
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研究分担者 |
小関 健由 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80291128)
今井 奨 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 室長 (80072958)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
鷲尾 純平 東北大学, 大学院・歯学研究科, 研究助手 (20400260)
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キーワード | 舌苔 / 口臭 / 硫化水素 / Veillonella / Actinomyces / Prevotella / システイン / グルタチオン |
研究概要 |
今年度は、1.舌苔バイオフィルムを構成する微生物叢の網羅的解析、2.その中に含まれる主たる口臭産生菌のもつ口臭産生代謝の生化学的機構の解明を研究目的とした。 1.舌苔バイオフィルム構成微生物叢の網羅的解析 口臭を主訴とする患者10名(21-50歳 但しその他の口腔状態は健康)から舌苔を採取し、嫌気グローブボックス内で酢酸鉛を含む血液培地で培養し、黒〜灰色を呈したコロニーを硫化水素産生菌とした。これらの菌をPCR-RFLP解析およびDNAシークエンス解析法で菌種同定したところ、Veillonella、Actinomyces、Prevotella speciesが大部分を占めていることが分かった。 2.口臭産生菌の口臭産生代謝の生化学的機構 口臭産生菌の代表としてVeillonella 3菌種(V.atypica、V.dispar、V.parvula.)を選択し、システインとグルタチオンからの硫化水素産生活性を検討した。その結果、増殖中及び菌懸濁液中のいずれにおいても、システインとグルタチオンから硫化水素が産生されることが確認された。また、これらの菌の硫化水素産生活性は中性pH付近で最も高いことが分かった。さらに、培養菌から調整した無細胞抽出液にシステインを加えると硫化水素とともにアンモニア等が産生されることから、cysteine desulfhydrase様酵素の存在が示された。以上のことからシステインあるいはグルタチオンに由来するシステインは菌体内においてワンステップで分解され、硫化水素を放出することが示唆された。
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