研究課題/領域番号 |
17659663
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
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研究分担者 |
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50316155)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40295861)
福原 正代 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (90360057)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20364151)
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キーワード | 歯学 / 老化 / 栄養学 / 咀嚼 / 消化管ホルモン |
研究概要 |
福岡県住民393名(60歳270名、65歳123名:男177名、女216名)を対象にして咀嚼機能と消化管ホルモンのグレリンとの関係を検討した。結果を平均±標準偏差で示す。健全歯12.0±6.4本(男13.6±6.7、女10.6±5.7、P=0.000:60歳12.5±6.2、65歳10.8±6.5、P=0.012)、未処置歯0.5±1.2(男0.6±1.3、女0.5±1.2、P=0.252:60歳0.4±1.1、65歳0.8±1.5、P=0.0002)、処置歯11.1±5.7本(男102±5.6、女11.9±5.6、P=0.004:60歳11.3±5.5、65歳10.7±6.0、P=0.291)、喪失歯5.9±6.1本(男5.4±5.7、女6.4±6.3、P=0.087:60歳5.2±5.6、65歳7.5±6.7、P=0.001)、残存歯23.6±6.1本(男24.4±5.6、女23.0±6.5、P=0.020:60歳24.2±5.7、65歳22.3±6.8、P=0.003)。咀嚼可能食品数は13.4±.0(男13.8±2.9、女13.1±3.0、P=0.023:60歳13.6±2.8、65歳12.9±3.2、P=0.042)。健全歯数、処置歯数、残存歯数、咀嚼食品数には男女差を認めた。また、健全歯数:、未処置歯数:、喪失歯数、残存歯数、咀嚼食品数に60歳と65歳の年齢群問に差を認めた。血中グレリン濃度は229,4±181.7(男210.3±189.6、女245.0±173.8、P=0.061:60歳255.3±194.0、65歳171.9±134.7、P=0.000)、レプチン濃度は7.4±5.2(男4.7±2.7、女9.7±5.7、P=0.000:60歳7.5±5.2、65歳7.4±5.2、P=0.956)であった。血中グレリン濃度に性差はなかったが65歳群では明らかに60歳群よりも低値であった。レプチンは女性が高値の性差があったが、60歳と65歳では同程度であった。歯の数(健全歯、処置歯、喪失歯、残存歯、残存根除去歯)と血中グレリン(r=0.048、P=0.348、健全歯;r=-0.040、P=0.436、処置歯;r-0.012=、P=0.815、喪失歯;r=0.005、P=0.922、残存歯;r=0.009、P=0.865、残存根除去歯)、レプチン(r=-0.065、P=0.202、健全歯;r=-0.013、P=0.804、処置歯;r=0.065、P=0.202、喪失歯;r=-0.077、P=0.128、残存歯;r=0.078、P=0.127、残存根除去歯)の間には有意の相関を認めなかった。同様に咀嚼機能を示す咀嚼可能食品数と血中グレリン(r=0.042、P=0.411)、レプチン(r=-0.013、P=0.805)の間に相関関係を認めなかった。血中グレリン濃度と血中レプチン濃度を従属変数、健全歯数、未処置歯数、喪失歯数、残存歯数、咀嚼食品数と性差、年齢群を独立変数とした重回帰分析でも血中グレリンやレプチンと歯数や食品数に有意の関係を認めなかった。以上から、血中グレリン濃度は60歳よりも65歳で低下し、血中レプチン濃度は男性よりも女性が高値であったが、口腔機能とは関係が認められなかった。
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