研究課題/領域番号 |
17659671
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
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研究分担者 |
津本 優子 島根大学, 医学部, 講師 (30346390)
福間 美紀 島根大学, 医学部, 助手 (40325056)
小野田 舞 島根大学, 医学部, 助手 (10448201)
樽井 恵美子 島根大学, 医学部, 助教授 (60294378)
長田 京子 島根大学, 医学部, 助教授 (90325051)
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キーワード | リスクマネジメント / リスクマネージャー / 看護師 / パワー / リーダーシップ / 戦略 |
研究概要 |
本研究は、看護職のリスクマネージャー(RM)が、部門縦割りの官僚制組織である病院において、効果的なリスクマネジメントを展開するためのパワーのメカニズムを、組織論の枠組みであるパワー構造モデルを用いて分析し、効果的なリーダーシップの発現を保証する個人および組織環境の要件とその構造を検討することを目的としている。昨年度実施した看護職RMからの聞き取り調査の質的分析の結果、RMの実践を阻む「管理責任者の認識」「医師との軋礫」「部門の壁」「情報浸透の非効率性」等の要因、及びそれを乗り越えるための9種類の戦略がカテゴライズされた。そこで平成18年度は、質的分析から導き出されたRMのパワー構造を実証するために質問紙による全国調査を計画した。平成18年11月に所属機関の研究倫理審査委員会の承認を得て、全国病院便覧から都道府県ごとに無作為抽出した施設の病院長宛に質問紙を郵送し、平成19年1月末までに、131病院の総括的立場にあるRMからの回答を得た(回収率19.8%)。回答者の病院の内訳は小規模38%・中規模40%・大規模22%で、国公立6割・医療法人4割、大中都市7割であった。RMの背景は、平均看護師経験年数27年、平均看護管理者経験年数15.7年で、RMとしての経験年数は3年未満が48%、RMの専任率は39%であった。日本看護協会主催の医療安全管理者養成研修I受講者43.5%・II受講者32%、大学院修了者1名、認定看護管理者サードレベル養成研修修了者1名・セカンド修了者20名であった。リーダーシップパターン得点は高い順に、支援、介入、放任であった。組織のポジティブな反応得点は実践前より後の方が高い傾向があり、「情報の共有」や「データの提示」に関する戦略実施得点の高く、「医師への対応」や「横断的な組織の調整」に関する戦略実施得点は低い傾向がみられた。次年度は追加調査によりデータ数を確保して詳細な構造分析を行い、RMのパワー構造を明らかにして、研究をまとめる予定である。
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