研究課題/領域番号 |
17659694
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
楠葉 洋子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90315193)
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研究分担者 |
瀧 健治 佐賀大学, 医学部, 教授 (90103746)
佐藤 和子 佐賀大学, 医学部, 教授 (00196221)
安田 加代子 佐賀大学, 医学部, 助教 (90336123)
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キーワード | 看護 / 体位 / 自律神経活動 |
研究概要 |
本研究の主目的は、急性期におけるケア技術として患者の安楽を促進する体位について調査し、急性期における患者の体位と生体負荷の関係を明らかにし、最も侵襲が少なく安楽な体位を検討することであった。昨年度は急性期患者の対象群として、対象者数を増やし30名の健康な人を対象に、水平臥位、左側臥位・右側臥位・backrest角度各々の30度・60度において、変換直後・5分後・10分後に、血圧、心拍数、酸素飽和度、自律神経活動を分析した。しかし、自律神経活動値が正確な体位変換直後からのデータ分析になっておらず2〜28秒の誤差をともなっていた。そこで本年度は総計40時間分のデータを2秒毎に整理し体位変換直後のデータ誤差を2秒以内に統一する作業を行った。その結果、ほぼ同じような結果となり、backrest30度が、測定項目のほとんどにおいて変化がなかった。backrest60度では、血圧、脈拍ともに体位変換後に有意な上昇があった。自律神経活動では交感神経活動が直後だけ有意に上昇していた。右側臥位60度は、体位変換後に血圧が有意な減少があった。左側臥位60度は、体位変換後に血圧および脈拍数の有意な減少があった。しかし、交感神経活動には有意な差はなかった。以上の結果から、4つの体位では、backrest30度が最も安全な体位変換であることが示唆された。また、backrest60度は、心筋の仕事量を増加させなければ体位の保持ができないことが考えられ、最も侵襲の大きい体位であることが示唆された。本年度、先行研究の文献の蓄積を更に行ったので、今後、本結果を基に論文執筆を行っていく。なお、急性期の患者を対象にした調査では研究への承諾を得にくい環境にあり、研究が思うように進展しなかった。今後は研究者の研究環境を整備するとともに臨床との連携をさらに促進して行く必要がある。
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