本研究は、協力病院の国立国際医療センター研究倫理委員会において平成18年12月15日付で承認された。翌19年1月21日に通達を受けて同年2月から本調査を開始した。平成19年度への経費の繰り越し申請を行い、該当分の費用は9月30日までに執行した。 1.研究対象 学生実習期間の調査を回避するために、分娩予定日5月中旬から7月までの対象に、出産準備クラス(平成19年3月〜5月)で同意を得られた対象者は10名であった。量的不足から荘病院で同様に分娩予定日7月から9月第3週までの対象者24名に同意を得て、計34名に対して平成19年5月から9月30日までに、妊娠36週、入院後の分娩経過中と産後1日に調査をデータ収集を実施した。 2.調査結果 先行研究が少ない分娩期に手間がかかる貴重なデータが得られた。研究代表者の先行研究データと比較検討することによって、A.バンデューラの社会的認知理論に基づき初産婦が産痛に対処する特定行動としての「姿勢コントロール行動」のモデリングは重要であり、分娩第1期の初期に産痛と伴に直接体験によって形成された「姿勢コントロール行動」の自己効力感は、産痛が最も辛い移行期の「姿勢コントロール行動」自己効力感に影響を及ぼし、移行期の「姿勢コントロール行動」自己効力感および「姿勢コントロール行動達成感」が「出産の達成感」に強く影響を及ぼすことが明らかになった。助産ケア理論を構築する上で有用な結果が得られたので、成果をまとめ専門分野へ還元する。 3.経費繰越で運用した費用 主な繰越し費用は、熟練助産師5名の人件費であった。その概要は、対象者が入院してから分娩に至るまでの全過程の「姿勢コントロール行動」を参加観察し記録し自己効力感を測定することであった。対象には準備クラスで事前に挨拶すること、分娩が2日に跨り長時間を要した場合は生理的限界から交替を行った。
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