研究課題/領域番号 |
17659702
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
池田 清子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (60224755)
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研究分担者 |
鷲田 万帆 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (50364055)
日野 千恵子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90438250)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 透析療法 / エンパワーメントアプローチ / ステップ・バイ・ステップ法 / フットケア |
研究概要 |
透析療法をうけている糖尿病者に対するエンパワーメントアプローチの効果を明らかにするために、2つの県にある一般病院の透析治療室に通院している17名の糖尿病性腎症患者を対象に、平成19年6月〜12月に介入概を実施した。介入はエンパワーメントを具体化したプログラムとして、慢性病患者の看護ケアで活用されているステップ・バイ・ステップ法(患者とともに成功可能な小目標を定める)とし、主要な成果はフットケア行動の変化、二的な効果は足の客観的指標(後頚骨動脈を含む4か所の最大血流量、モノフィラメントによるタッチテスト、爪や皮膚のマイナートラブルの有無)とした。対象の概要は、平均年齢69.4歳、男性11名、女性6名で、糖尿病履病期間の平均31.5か月である。フットケア行動の変化では、「足を毎日洗う」の目標達成率が59%から76%、「足を観察する」「保湿する」は約10%から24%、「保温する」は18%から12%へ低下した。一方、最大血流量では有意に増加した部位はなく、タッチテストでも同様であった。足のマイナートラブルでは、介入前後ともに皮膚の乾燥と足底の肥厚・爪の肥厚が60〜70%に見られた。介入期間中に新たな足トラブルで治療を必要とするものはなかった。以上の結果より、客観的指標では有意差はみられなかったが、70%が血流測定やタッチテスト自体をく安心>と感じ、今後も定期的な介入を求めていた。また、看護師も小目標を患者とともに評価することにより、「足を毎日洗う・観察する」が透析患者にとってなぜ大変かを実感でき、患者毎にできる方法を考えるようになった。一方、多くの患者は自ら目標設定することに慣れておらず、未達成・達成に関わらず同じ目標を3か月継続する事例もみられ、今後さらに患者をエンパワーするためには、看護師のフットケア技術の向上による効果の実感、患者自身が行うケアを容易にするグッズの開発などが課題である。
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