訪問看護に関する研究は多く報告されているものの、積雪寒冷地に居住する利用者宅に訪問する訪問看護の冬期間の問題と課題に焦点をあてた研究は報告されていない。 平成17年度は、冬期間における訪問看護ステーションの訪問状況および看護職が訪問看護サービスを提供する際に生じる積雪寒冷地特有の問題について実態調査により明らかにすることを目的とした。 2006年1月に事業所が東北地方に所在する訪問看護ステーション297事業所を対象に、自記式郵送法によるアンケート調査を行った。その結果、アンケート調査に回答した事業所数は154ヶ所(回収率51.9%)であった。冬期間の訪問看護は、道路の積雪や交通渋滞や夜間凍結のために移動に多くの困難を抱えており、とくに夜間訪問の課題が明らかになった。また、冬期間に訪問看護ステーション利用者数が減少する地域もみられ、冬期間の介護状況の課題も明らかになった。山間地に居住する利用者が冬期間に抱える問題として、介護の問題以外にも、寒さや、雪かき、買い物の困難、外出の機会が少なくなるためにうつ傾向が生じることなどが明らかになった。 今回の研究概要の発表は、平成18年度の学会で報告を行い論文投稿する予定である。
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