訪問看護に関する研究は多く報告されているものの、積雪寒冷地に居住する利用者宅に訪問する訪問看護の冬間の問題と課題に焦点をあてた研究は報告が少ない。 平成18年度は、積雪寒冷地の山村地区に居住する在宅療養者が、冬季も安心して在宅で療養できるためにどのような訪問介護サービスのニースがあるのかを明らかにすることを目的とした。 2007年2〜3月に、東北地方に事業所が所在する訪問看護ステーションを対象に、自記式郵送法によるアンケート調査を行った。その結果、363名の回答があり、積雪寒冷地の山村に居住している在宅療養者の冬期間の生活上の困難さが明らかになった。積雪寒冷地の山村において在宅で療養をしている利用者は、冬期間に外出する機会が少なく、医療機関への通院が大変であり、介護者が体調を崩しても交換してくれる人がいないことに困っており、また、冬期間は道路が滑りやすいために転倒の危険があるなどの冬期間特有の困難さが明らかになった。さらに、訪問看護のニーズとして、夜間の利用者の体調悪化や、夜間にカテーテルが抜去し訪問するなどがあげられた。医療機関が近くにない山村地区の在宅療養者にとって、冬期間の訪問看護師の訪問活動は利用者に在宅療養を過ごす上で安心感をもたらす重要なサービスでることが示唆された。今回の研究概要の発表は、平成19年度の学会で報告を行い論文投稿する予定である。
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