研究課題
本年度は、演算結果の再利用に基づく高信頼マイクロプロセッサに関して、その信頼性と消費エネルギーを評価した。また、プロファイル結果に基づきカスタム命令生成とその実行方式を提案し、高い性能/消費エネルギー効率を達成した。さらに、耐ソフトエラー性の高い低リークキャッシュで問題となるプロセッサ性能の低下を回避する動的最適化技術を確立した。これらに加え、広義での信頼性を確保するため、プロセッサの安全性向上技術を提案した。具体的には、主に以下の研究成果を得た。1:過渡故障の一種であるソフトエラーの発生を前提とし、これを回避するための演算結果再利用技術を示した。また、ベンチマーク・プログラムを用いた詳細な定量的評価を行い、信頼性を向上すると同時に、冗長実行によって発生する消費エネルギー・オーバヘッドを大幅に低下できることを示した。2:適応型プロセッサの実現において必要不可欠となるプログラム実行の挙動検出方式を提案した。具体的には、高頻度実行命令の検出技術ならびにメモリアクセスの特徴解析技術を確立した。3:高頻度実行命令列をカスタム命令化することで、性能/消費エネルギー効率を改善できる新しいプロセッサ・アーキテクチャを考案した。また、その定量的評価を行い、有効性を明らかにした。さらに、本技術を活用してプロセッサの信頼性を向上する方式を検討した。これに加え、信頼性向上と低消費エネルギー化の両立を目的としたメモリ構成法を開発しその有効性を示した。また、上記を含む研究成果に関し、国内外の会議にて報告した。さらに、国内イベントでのパネル展示を実施し、研究成果に関する広報活動も実施した。
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すべて 雑誌論文 (13件)
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