研究課題
今年度は、これまでに考案したプロセッサ・アーキテクチャならびにメモリ・アーキテクチャの定量的評価を実施した。また、システム動作環境に適応することで無駄な消費エネルギー消費を回避する新しいメモリ構成法を考案した。具体的には、以下の研究課題に取り組んだ。・カスタム命令実行に基づく高信頼/低消費エネルギー・プロセッサの評価:平成18年度に考案した「カスタム命令実行によるプロセッサの高性能化」を基本とし、提案方式の消費エネルギー削減効果を明らかにした。また、プロセッサ構成要素へのアクセス頻度を削減可能であり、これに基づく信頼性の向上も期待できることが分かった。・高信頼/低消費リークエネルギー・キャッシュの高性能化:これまでに提案している電源電圧の供給停止に基づく高信頼/低消費エネルギー・キャッシュの性能オーバヘッド低減方式を評価した。その結果、提案方式により、高い信頼性の確保、リーク消費電力、ならびに、性能低下の隠蔽といった要求を同時に満足可能であることが明らかになった。・環境適応型低消費エネルギー・キャッシュの考案と評価:今年度、動作環境におうじてキャッシュサイズを適応的に調節することで、キャッシュの消費エネルギーを削減できる新しいアーキテクチャを考案した。また、その評価を行い、提案方式の有効性を明らかにした。これに加え、メモリ内の複数ビットにおいて同時にエラーが発生する状況を想定し、これらのエラー検出ならびに訂正を可能にしつつ、信頼性向上において発生する消費エネルギー・オーバヘッドを低減する新しいメモリ構成法を考案し、その有効性を示した。また、国内外の会議において上記の研究成果を報告した。
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IEICE Transactions on Electronics(採録決定) (in press)
Journal of Supercomputing, Springer Netherlands(採録済み) (in press)
IEICE Transactions on Electronics Vol. E90-D,no.12
ページ: 1956-1966