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2005 年度 実績報告書

音声の韻律的特徴の認知に基づいた対話環境の構築

研究課題

研究課題/領域番号 17680006
研究機関静岡大学

研究代表者

竹内 勇剛  静岡大学, 情報学部, 助教授 (00333500)

キーワード音声 / 韻律的特徴 / 生態学的特性 / 音声知覚 / ピッチ / 話速 / 心理実験 / 選好的行動
研究概要

本研究は,他者との対話場面をおいて人が態度や行動を変化させる際の外的な要因として音声の韻律的特徴が与える影響を解明することを目的とする.特に,音声の韻律情報が発話された内容の意味の解釈に対して強力な影響をもつ可能性に注目し,他者との対話場面において発話された音声の韻律的特徴が,聞き手の態度や行動を変化させる要因となることを心理実験を通して検証することを目指す.
音声の韻律的特徴によって喚起される人間の注意への影響,生態学的な音声知覚に伴う反応に着目し,発達心理学的知見(マザリーズや養育者の育児行動など)も考慮に入れた検討を行なった.また音声は聴取者にとって比較的対人的な反応を誘発しやすい刺激であるため,音声の知覚に伴う反応が単純に音声刺激によって直接生じた行動であるか,あるいは社会的な要因を聴取者が想定した上で生じた反応であるかが曖昧である.したがってこの問題についても心理実験の結果を分析することを通して検討・考察を行なった.
そこで特に,人間の生態学的な音声知覚に伴う反応に焦点をあて,音声の韻律的特徴の違いが人間の認知的反応にどのような影響を及ぼすのかを心理実験を通して検証した.その結果,異なる韻律的特徴をもった2つの音声を同時に提示したとき,被験者はより高いピッチの音声,またはより速い話速の音声に強く影響を受けるという傾向が観察された.さらに,音声の韻律の違いに対する行動選択が,直観的になされていたという可能性も示唆された.このことから,人間は音声の韻律的特徴の異なる2つの音声からの呼びかけに対して,通常よりピッチの高い音声および,より話速の速い音声に誘導されやすいという可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 人間の選好的行動に寄与する音声の韻律的特徴2006

    • 著者名/発表者名
      蓮井直樹, 竹内勇剛
    • 雑誌名

      電子情報通信学会信学技法 HCS2005-68

      ページ: 31-36

  • [雑誌論文] 打楽器を通した相互作用における原初的コミュニケーションの形成過程2005

    • 著者名/発表者名
      杉江舞子, 加藤真悟, 土屋直樹, 蓮井直樹, 竹内勇剛
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェースシンポジウム2005論文集 2

      ページ: 547-550

  • [雑誌論文] 踊るエージェントを通した相互行為による対人認知過程2005

    • 著者名/発表者名
      竹内勇剛, 杉江舞子
    • 雑誌名

      合同エージェントワークショップ&シンポジウム2005 JAWS2005講演論文集

      ページ: 479-484

  • [雑誌論文] なぜ人はエージェントに対人的反応をしてしまうのか?2005

    • 著者名/発表者名
      竹内勇剛
    • 雑誌名

      人工知能学会第49回人工知能セミナー講演テキスト

      ページ: 39-58

  • [雑誌論文] 対話におけるパラ言語情報による対人的反応の誘発2005

    • 著者名/発表者名
      竹内勇剛
    • 雑誌名

      電子情報通信学会信学技法 NLC2005-67

      ページ: 61-66

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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