研究概要 |
本研究は,手術情報をマルチチャネルで取得しそれを効率的に処理するための,医療(特に,手術情報の)データベースシステムを構築するものである.具体的には,(1)手術中における体内の術具動作,バイタルサインなどの手術情報をマルチチャネルで取得し,またその取得状況(手術室シーン(ビデオ映像)など)を同時に記録し,(2)再帰的データ等価変換機能により高度なデータ処理機能を有するデータベースシステムを構築する.特に,データベースシステムにおける再帰的データ等価変換機能は本システムの特徴であり,手術データの医学的見地からの解析のみならず,医療過誤時のひとつの客観的情報と成り得たり,マルチメディア医学教育コンテンツを自動作成したりする能力を持ち,本システムの公開により広い範囲での応用が期待できる. 本年度の計画内容はシステム構築である.データベースサーバーおよびクライアントシステムは国内企業の協力も得ながら当初計画以上の規模で構築できた.また,サーバーの構築は,医療現場の要望を反映するため,当初予定のWorkstation(UNIX OS)による構築に加えて,PC(Windows OS)による構築も行った.クライアントシステムは,PC(Windows OS)による構築を行っており,現在,実用テストに向けてシステム改良を重ねているところである. 学術成果においては,発表にはまだ時期早尚と判断される部分もあり来年度以降の成果が期待されるが,まずは,研究の一部において本システムを試験的に活用した学術論文(5件)を発表した.また,来年度(平成18年度)に開催される国際会議(International Conference of IEEE Engineering in Medicine and Biology Society(EMBS))での発表を検討している.
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