研究概要 |
一昨年度のシステム構築を受け,昨年度は特にソフトウエア環境について開発およびシステムヘの実装を行い,実際の手術データをシステムに入力した.データ保存部分としては,オブジェクト指向データベース環境であるインターシステムズ社製のcacheをプラットホームとしてその上でネットワークデータベースサーバを構築した.データベースサーバにはサン・マイクロシステムズ社製ワークステーションを計算機として導入した.システムは,データベースサーバに加えて.ユーザが要求を入力し結果を取得するためのインタフェース部,およびインタフェース部とデータベースサーバのそれぞれと通信を行いながらデータを適切に変換するデータ等価変換部の3つから成る.本システムの特徴となるデータ等価変換部は,(1)ユーザから(インタフェース部を介して)クエリ(要求)を受取り,それに従ってネットワークを介してcacheサーバと通信を行いながら(2)保存データの内容と構造の取得および析を行いデータ生成に必要なデータ変換手順(データ変換シナリオ)を生成する.次に,(3)必要なデータおよびプログラム(データ変換を行うプログラム.我々はデータ等価変換エンジンと呼ぶ.)をcacheサーバから取得し,(4)データ変換スクリプトの生成およびデータ等価変換エンジンの実行によるデータ変換を行い,(5)検索結果および変換されたデータをインタフエース部に返す. 本研究の学術的進捗は,従来のデータベースシステムがデータのみの登録であるのに対し,本システムはデータに加えてプログラムの登録が行えること,そしてそれらを登録する際に行うタグ付けの規格化と構造化の手法を提案した点である.学術成果は関連研究テーマの発表5件(含、学術論文誌1件)である.本システム全体に関する発表にっいては,国際的に評価を受け得るレベルのシステム評価結果およびプレゼンスの信頼性,客観性を得るため,現在,実験データを充実させている.準備は最終段階にあり,発表時期としては今年度早期(上四半期)の投稿に向けて準備を進めている.
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