研究概要 |
本年度は,GPUクラスタの設計,製造,設置,動作確認とともに,GPU上での描画システムの開発を行った.GPUクラスタは,計算ノードとなるPCを16台,コントローラとしてのPC1台の計17台から構成されるクラスタシステムとして設計・製造された.各計算ノードPCのスペックは,Pentium D 820(2.8GHz)CPU,2GB DDR2 SDRAM,160GB S-ATA HDDであり,それぞれにnVIDIA社製のGeForce 7800 GTXが1つ搭載されている.これらのノードPCは,ギガビットイーサーネットによりネットワーク接続されている.すでに所内に設置され,正常に動作することを確認している. また,GPUクラスタのレンダリングエンジンとして利用するための基盤技術として,位置情報のみを持つ点群データを,GPUを利用して直接レンダリングする方法を開発した.この手法では,イメージバッファと呼ばれる,フレームバッファより解像度の低い画像を一枚用意し,その画像を利用して法線ベクトルの計算や,測定点群データに含まれるノイズの軽減処理が行われる.実際の描画処理はスプラットにより行われるが,スプラットの描画処理に必要なフィルタリング処理は,画像バッファの中で選択されたピクセルにのみ適用される.このため,点群データを直接フィルタリングする手間を省くことができ,処理を高速化することができる.実際,多くの例題を通じて,法線計算やノイズ軽減処理を含む我々のアルゴリズムは,既存のアルゴリズムよりも高速に処理することが可能であることを実証した.
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