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2005 年度 実績報告書

エピジェネティクスが制御する発生段階依存的神経幹細胞系譜決定機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17680028
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

中島 欽一  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80302892)

キーワード神経幹細胞 / エピジェネティクス / 分化 / メチル化DNA結合タンパク質 / 可塑性 / ES細胞
研究概要

神経幹細胞からニューロンやアストロサイトなどへの分化は発生段階依存的に起こる。研究代表者は胎生中期神経幹細胞がアストロサイトへと分化しないのはアストロサイト特異的遺伝子(例えばGFAP)プロモーター中の転写因子STAT3結合配列がメチル化されているためであり、発生進行に伴いこれが脱メチル化を受けアストロサイト分化能を獲得することをこれまでに示している。ところが発生が進行し既に細胞内在性プログラムのスイッチが入ってしまった初代培養神経幹細胞のみを用いてはエピジェネティクスが関与する幹細胞分化を根本から理解することは困難である。そこで本研究ではこのプログラムを初期状態から経時的に追跡可能にするため、プログラムのスイッチが入っていないと考えられる全能性胚性幹細胞(ES細胞)を用いたモデル培養系の確立を目的の一つとした。ES細胞から神経系への分化は血清によって阻害されることが分かっていたため、血清非存在下にES細胞を浮游培養することで神経系細胞への分化を誘導した。その結果浮游培養期間に依存して初代培養神経幹細胞と同様に、ニューロンへとしか分化しない状態およびアストロサイト分化能を獲得する状態を再現できた。またそれと呼応したアストロサイト特異的遺伝子プロモーター中のSTAT3結合配列の脱メチル化も観察され、ES細胞を用いたモデル培養系の確立はなされたと考える(J.Neurochem,2005)。また、本年度のもう一つの目的であった「ニューロン分化状態維持機構」に関しては、メチル化DNAに結合し転写抑制因子として機能するタンパク質群(MBDs)が神経系ではニューロンでのみ発現しており、MBDsが重複した機能をもってアストロサイトへの分化転換を制限している事を示唆する結果を得ている(投稿準備中)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Mechanisms of neural stem cell fate determination : extracellular cues and intracellular programs2006

    • 著者名/発表者名
      M.Abematsu
    • 雑誌名

      Curr.Stem Cell Res.Ther. 1

      ページ: 267-277

  • [雑誌論文] Development of functional human embryonic stem cell-derived neurons in mouse brain2005

    • 著者名/発表者名
      A.R.Muotri
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102

      ページ: 18644-18648

  • [雑誌論文] Fate redirection of hippocampal astrocytes toward neuronal lineage by aggregate culture2005

    • 著者名/発表者名
      M.Yanagisawa
    • 雑誌名

      Neurosci.Res. 53

      ページ: 176-182

  • [雑誌論文] Stage-and site-specific DNA demethylation during neural cell development from embryonic stem cells2005

    • 著者名/発表者名
      K.Shimozaki
    • 雑誌名

      J.Neurochem. 93

      ページ: 432-439

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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