研究概要 |
上水や下水の水質分析は通常,化学分析機器を用いて行われるが,化学分析では前処理などの手順が複雑で長時間を有する.水質中一つ一つの物質や含有量が不明瞭でも,水質全体としての有害性が短時間で容易に判断できることが望ましいことから,これまで様々な生物を用いた水質モニタリング方法が検討され一部は実用化されてきた.しかし,生物モニタリングには複雑な装置が必要であり,また生物の飼育が困難なこと等が問題点として指摘されている.本研究は,重金属に鋭敏に反応を示し安価で培養が容易な原生動物の太陽虫Raphidiophrys contractilisを用いて排水中における有害物質の有無を即座に判断できる排水水質モニタリングシステムの開発を行う. 本システムは,顕微鏡部分と画像解析部分から構成される.まず,試験的に太陽虫を入れた小型容器を顕微鏡部分に設置し,水銀含有の排水試料を流入する.パソコンを用いて細胞の形状変化を数秒単位の画像で取り込み,変化特性を抽出し解析を行った.
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