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2005 年度 実績報告書

新規なバイオポリエステルの理論的設計を目指した関連酵素の構造-機能研究

研究課題

研究課題/領域番号 17681009
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

久野 玉雄  独立行政法人理化学研究所, 三木生物超分子結晶学研究室, 研究員 (20312267)

キーワード生分解性ポリエステル / ポリヒドロキシアルカン酸 / ポリヒドロキシブタン酸 / PHA分解酵素 / 結晶構造 / ポリマー分解機構 / 基質認識機構 / 酵素-基質複合体
研究概要

ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は糖や植物油など再生可能な原料から作られるバイオポリエステルであり、PHA分解酵素により効率よく分解される。3-ヒドロキシブタン酸(3HB)モノマーユニットに対する認識機構を明らかにするため、カビ由来のPHA分解酵素の結晶構造を初めて明らかにした。本酵素は319残基からなり、その構造はα/β hydrolase foldを有していたが、それはこれまで見られていないcircular permutationをした新規なタイプであった。Ser39,Asp121,His155が触媒3残基を構成し、構造上の保存された部位に存在した。このことから、リパーゼ様の加水分解機構によりポリマーを分解することが示唆された。また、オキシアニオンホールはSer40,Cys250の主鎖アミドによって形成されることが判った。分子表面にはポリマー鎖が取り込まれるようにクレバスが形成されていた。クレバス内部は触媒残基の他、主に疎水的なアミノ酸残基で構成され、ポリマー鎖と疎水的相互作用を形成することが示唆された。S39A変異体と3HB3量体メチルエステルとの複合体の構造解析により、Trp307が加水分解を受けるエステル結合の1つ隣のエステル結合のカルボニル酸素を認識することがわかった。また、3HBユニットのメチル基に対する疎水的なポケットが形成され、ポリマー基質の側鎖に対する特異性を規定していた。一方、分子表面のクレバス近傍は疎水的なアミノ酸残基が配置され、疎水的なポリマーの表面に吸着するのに都合が良いことが判った。分解酵素の構造情報はバイオポリエステルの分解性を考慮した設計を行う上で重要であり、以上の結果は、バイオポリエステルへの高い機能性の賦与を目指したバイオポリエステル・エンジニアリングにおいて大きく貢献すると期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The Crystal Structure of Polyhydroxybutyrate Depolymerase from Penicillium funiculosum Provides Insights into the Recognition and Degradation of Biopolyesters2006

    • 著者名/発表者名
      Tamao Hisano, Ken-icni Kasuya, Yoko Tezuka, Nariaki Ishii, Teruyuki Kobayashi, Mari Shiraki, Emin Oroudjev, Helen Hansma, Tadahisa Iwata, Yoshiharu Doi, Terumi Saito, Kunio Miki
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 356(4)

      ページ: 933-1004

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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