研究課題
前年度に得られた実験結果について、モンテカルロ法を用いた回路動作の数値計算や、3次元構造容量抽出プログラムを用いた微小容量分布解析などを用いて、詳細に検討した。その結果、回路内の寄生容量が回路動作に大きく影響していることが強く示唆された。また、単一電子ターンスタイル素子を用いた電流ミラーと電磁気学的に双対な関係となるジョセフソン素子を用いた電圧ミラー回路について検討し、動作上の相違点についての考察を行った。これらの結果については、10月に開催された国際会議(Int. Microprocesses and Nanotechnology Conf.)での招待講演にて発表し、またJpn. J. Appl. Phys誌の特集号(2007年9月出版予定)への採録が決定している。単一電子ターンスタイル素子特性を詳細に解析するため、特に自己容量がクーロンプロッケイド条件に及ぼす影響を解析的に検討した。その結果、クーロンプロッケイド領域の形状や大きさ、あるいは従来のモデルには見られなかった電荷トラップ状態が出現することが明らかとなった。この結果については、Jpn. J. Appl. Phys.誌に投稿し、採録決定を受けている(2007年5月出版予定)。また、非対称的な単一電子デバイスに外部から高周波電圧を印加したモデルについての数値計算の結果、零バイアス状態においても直流電流が誘起される結果が得られた。この結果については、現在投稿中である。また、前年度に引き続き実験も行った。従来の結合アレイ方式については、超伝導状態において電流を2倍にする電流2倍器の動作が確認できた。この結果にっいては、IEEE Trans. Appl. Supercond.誌に掲載予定である。また、電極材料に超伝導体と強磁性体を使用した単電子トランジスタにおいて、スピンバルブ効果が確認された。この結果については現在投稿中である。
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Japanese Journal of Applied Physics Part2, Vol. 45・24
ページ: L621-L622
Japanese Journal of Applied Physics Part 2, vol. 45・24
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Jounral of Physics : Conference Series vol. 43
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