研究概要 |
1.雪氷物性、走行速度、路面すべり摩擦係数の関係 昨年度は雪氷物性、車両走行速度、路面すべり摩擦係数(μ)の3つの関係を調べるために,μ測定車を用いた野外実験を実施した.昨年度のデータのみでは不十分であったので、本年度はデータの収集と信頼性向上を目的に、福井県運動公園でμ測定を再度行った。 2年分のデータを整理した結果、走行速度30km/hでは,(1)質量含氷率(θ_s)<0.3の雪氷におけるμは,厚さ(H_s)<15mmでは湿潤路面のμ(μ_w=0.7)と変わらない、(2)0.3≦θ_s<0.4では,H_s=10mmまでμ_wと同じであるが,砂10mmではH_sの増加に伴いμは0.4に漸近する,(3)0.4≦θ_s<0.5では,H_s=5mmまでμ_wと同じであるが,H_s>5mmでμは0.4に漸近する,(4)0.5≦θ_s<0.6では,H_s=5mmでμ=0.6であり,1や5mmでμは0.4に漸近する,(5)θ_s>0.6では,H_s≧5mmでμ=0.4である. 今回の計測では、走行速度50km/hにおけるμは,概ね30km/hの結果と概ね同じ結果であった。 (1)シャーベット路面のμは薄雪氷ではμ_wと同じであるが,Hの増加に伴い低下する, (2)μが低下し始めるH_s(H_<sr>)はθ_sに依存し,H_<sr>はθ_sが増大するほど低くなる. (3)H_sの増加およびθ_sの増大に伴いμは0.4に漸近する. (4)H_sおよびθ_sとμの関係を定量的に評価できた。 2.路面雪氷性状予測モデルの改良 μ予測を行う前段として、路面雪氷性状予測モデルの妥当性を室内実験から検証した。検証では、室内実験から得られる雪氷温度,雪氷厚および質量含氷率について,計算結果と実験結果との比較を行った. その結果,路面雪氷性状予測モデルは,融雪過程における雪氷温度,雪氷厚および質量含氷率の経時変化を概ね再現することができた.
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