研究課題
平成17年度は、原核生物の膜タンパク質を大腸菌を宿主として発現させる系について検討を行った。最初、グラム陰性細菌である大腸菌(Escherichia coli)、グラム陽性細菌である腸球菌(Enterococcus faecalis)、好熱真正細菌(グラム陰性)であるThermus thermophilus、好熱古細菌Aeropyrum pernixの4種の原核生物から膜タンパク質を選択する予定であったが、立体構造データベース(Protein Data Bank, PDB)の調査から、好熱菌由来の膜タンパク質の立体構造が数多く登録されていることが明らかになったため、好熱菌Thermus thermophilusとAeropyrum pernixの膜タンパク質を対象とすることにした。T.thermophilusのゲノム中1973個のORFから、SOSUIプログラムを用いて465個の膜タンパク質遺伝子を見出し、その後、推定膜貫通領域数3以上でかつ機能が解明または推定されているもの53個を選択した。同様に、A.pernixのゲノム中1841個のORFから、447個の膜タンパク質遺伝子を見出し、その中から53個を選択した。このようにして選択した計106個の膜タンパク質遺伝子は、受容体、輸送体、イオンチャネルまたはポンプとして機能すると解明・推測されている。これらの遺伝子を、当研究室でE.faecalisの7回膜貫通型膜タンパク質の高発現に利用しているpBAD(araBADプロモーター、Invitrogen)とpET-Mistic(T7プロモーター、枯草菌Bacillus subtilis由来の4回膜貫通型膜タンパク質Mistic(Roosild et al.,2005)との融合タンパク質発現ベクター、Novagen製品を改変)とに組み込み、現在、発現検定を進めている。
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