研究課題
本研究は、高等学校レベルの学校現場において、市民教育がどのように行われているか、そのなかで、「市民」というものが教師と生徒によってどのように認識、伝達され、生徒によって内部化されているかを理解することを目的とする。市民教育は、独立の科目として教えられる場合、社会科や道徳などの中で扱われる場合、課外活動や社会教育の中で扱われる場合があり、国によって多様である。そこで、本研究では、事例調査を重視し、エチオピア、ガーナ、ケニアで学校ベースの調査を行ってきた。最終年度である平成19年度は、最終段階として、3カ国で個別に行ってきた研究を比較し、「アフリカの市民教育」として共通の経験や特色を抽出することを試みた。また、アフリカの価値観形成における教育の役割が、日本を含む諸外国の教育援助にどのような意味を持つかについても検討した。市民性教育の実施状況や、市民性教育自体の社会的意味合い、カリキュラム内容などが国によって大きく異なるため、比較が非常に難しかったが、特に各国の政治変動、選挙などの動向と教育の関わりが大きいことが分析から把握されたため、教育社会学の視点からだけでなく、アフリカ地域を専門とする政治学者、人類学者との学際的協同が必要であるとの認識を得た。本調査の第二フェーズに生かしたい。各国の調査結果に基づき、現地研究協力者とともにワークショップを行い、報告書執筆打ち合わせも行なった。現在、各国の報告書を1冊の報告書として取りまとめ中である。
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