本研究の目的は既存の国際関係理論に基づいて関与(engagement)を明確に概念定義し、その観点からポスト冷戦期の米国、韓国、日本の対北朝鮮政策を位置づけ、比較・検討することである。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 2005年4月〜8月 関与(engagement)に関する文献収集および海外調査のための準備を行った。とくに、日本における米国、韓国、日本の対北朝鮮政策に関する文献収集に着手した。 2005年8月〜9月 韓国および米国において、大学・大学研究所等を中心に資料収集および聞き取り調査を行った。 2005年10月〜12月 海外調査の整理を行った。その過程で、関与という概念を明確に概念定義したり、分析的あるいは理論的に把握しようとしたりする研究はほとんどないことが確認できた。 2006年1月〜2月 立命館大学国際地域研究所国際シンポジウム「東北アジア共同体結成への提言」において「日米韓の対北朝鮮政策-米韓関係の齟齬の日本のジレンマ-」を高等発表した。 2006月3月 当初の研究計画においては、本年度の研究成果について報告書を作成する予定であった。しかしながら、最近、米国の対外政策を関与の観点から理論的に扱った博士論文の存在が明らかになったため、その文献を入手し、その上で関与政策のサーベイを行う必要性が不可欠になったために、報告書の作成は次年度の課題とすることにした。なお、3月には補足調査・資料収集を目的に、訪韓した。
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