本研究の目的は既存の国際関係理論に基づいて関与(engagement)を明確に概念定義し、その観点からポスト冷戦期の米国、韓国、日本の対北朝鮮政策を位置づけ、比較・検討することである。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 2006年4月〜8月 昨年度に引き続き、関与(engagement)に関する文献収集および海外調査のための準備を行った。とくに、日本における米国、韓国、日本の対北朝鮮政策に関する文献収集および整理を行った。とくに米国の対外政策を関与の観点から理論的に分析を行った研究を発見し、その読解と整理に着手した。 2006年8月〜9月 韓国において、集中的に資料収集を行った。とくに、在韓米国大使館、淑明女子大学、在韓日本大使館などを訪問したり、インタビュー調査を行ったりした。 2006年10月〜2007年2月 韓国において得た成果のとりまとめに着手した。また、2月には3月の韓国および米国での調査のための準備を行った。 2006年3月 米国および韓国においてインタビュー調査を行った。韓国の対北朝鮮政策については、ユン・ニョングワン前外交通商部長官およびイ・ジョンソク統一部長官にノムヒョン政権の平和繁栄政策の理論的背景や目的について聞き取り調査した。米国では、国務省のコリアデスクのディビット・ストローブおよび国務省の北朝鮮担当官に米国の対北朝鮮政策について聞き取りをした。これらのインタビューを通して米韓の対北朝鮮認識に大きな相違があることが確認できた。
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