研究概要 |
1 開発した教材実験について、他の胃腸薬を用いても実験可能かどうかを確認した。 (1)タンパク質の消化については、「新タカヂア錠」、「ハイウルソ顆粒」、「新ビオヂアス」、わこもと消化薬」でも実験可能であることが判明した。既に報告している「バランサー胃腸薬」では、pHを6.0程度に調整してから用いなければならないが、上記の4つの胃腸薬では、調整溶液のpHがすでに6程度であり、pHを調整することなく用いることが可能である。また、尿タンパク試験紙では結果が得られないことを確認した。 (2)脂肪の消化については、すでに報告した「ビオフェルミン健胃消化薬錠」以外にも、「新ビオヂアス」、「わかもと消化薬」でも実験可能であることが判明した。しかし、「わかもと消化薬」は含まれている酵素の比活性値が低いためか、呈色が悪い。「新ビオヂアス」は、「ビオフェルミン健胃消化薬錠」に含まれている酵素よりも比活性値が高いためか、呈色が強いことが判明した。 2 平成17、18年度に新規に採択された小中学校の理科の教科書の本文中に「タンパク質」と「脂肪」の分解生成物を実験で検証する教材がないことを確認した。大日本図書の中学理科の教科書のみ、巻末の自由研究に「タンパク質の消化」を確かめる実験教材が掲載されていたが、本研究で開発したものと異なるものであり、変化を観察するだけで、アミノ酸に分解されることを化学的に追求したものではないことを確認した。 3 平成18年9月に行われた、社団法人日本理科教育振興協会主催の中学生サイエンスサマーキャンプで、開発した実験教材を実際に参加した中学生を相手に試行した。 4 平成18年9月〜10月にかけて、琉球大学教育学部附属中学校第2学年を対象に、開発した教材を用いた授業実践を行った。 5 3、4から、中学生程度の実験観察・技能で開発した教材実験を行うためには,配布する資料の工夫や、手順の簡素化など工夫すべきところがあるが、実験を行った生徒には好評だった。
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