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2007 年度 実績報告書

超低温走査プローブ法による2次元電子系の磁場中局所状態密度観測

研究課題

研究課題/領域番号 17684011
研究機関東京大学

研究代表者

神原 浩  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (00313198)

キーワード走査プローブ顕微鏡 / 低温物性 / 半導体物性 / 表面・界面物性 / 量子ドット / 量子ホール効果
研究概要

グラファイトおよび半導体という異なる2つの2次元電子系において、その高磁場中における特異な電子状態-量子ホール状態と端状態-を、超低温走査トンネル顕微/分光装置(ULT-STM/STS)を用いて実空間観測による研究を行ってきた。
昨年度までに高配向性熱分解グラファイト(HOPG)試料表面上の原子数個程度の大きさの格子欠陥周辺において、磁場中ではランダウ準位間のエネルギーに局在状態が形成されていることを実空間観測し、それが、クーロン引力型のポテンシャルによって捕獲された電子系として、状態密度分布の理論計算結果と半定量的に一致することなどを明らかにしてきた。このグラファイト表面上の量子ホール効果的なふるまいをさらに追求し、より理想的な2次元電子系上での電子状態の観測を行うため、昨年度より、バルクのグラファイトから単層のグラファイトシート(グラフェン)を作製・抽出する作業に取り組んできた。マンチェスター大学のグループが行ったミクロ劈開の方法を追試した結果、今年度初めてシリコン基板上にグラフェンを作製することに成功した。これが数層ではなく、"単層"のグラフェンシートであることを、AFMによる厚さ測定、並びに高磁場中の2端子伝導度測定により行い、グラフェンに特有の半整数量子ホール効果を確認できた。作製したグラフェン試料(最大でも数十μm程度)の低温・高磁場中でのSTM/STS観測を目指し、STM探針をアプローチさせるための粗動機構の改良と、金蒸着膜のガイドラインを試料周辺に作製する微細加工技術の開発を行ってきた。低温・磁場中でのグラフェンSTM/STS観測が現在進行中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Temperature Dependence of the Impurity-induced Resonant State in Zn-doped Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> by Scanning Tunneling Spectroscopy2007

    • 著者名/発表者名
      H. Kambara, Y. Niimi, M. Ishikado, S. Uchida, and H. Fukuyama
    • 雑誌名

      Physical Review B 76

      ページ: 052506

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Construction of a Versatile Ultralow Temperature Scanning Tunneling Microscope2007

    • 著者名/発表者名
      H. Kambara, T. Matsui, Y. Niimi, and H. Fukuyama
    • 雑誌名

      Review of Scientific Instruments 78

      ページ: 073703

    • 査読あり
  • [学会発表] 磁場中2次元電子系のSTS観測2007

    • 著者名/発表者名
      松井朋裕、神原 浩
    • 学会等名
      日本物理学会(第62回年次大会)
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-23

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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