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2007 年度 実績報告書

光ナノプローブによる単一カーボンナノチューブの光物性の探索と量子光デバイス応用

研究課題

研究課題/領域番号 17684012
研究機関京都大学

研究代表者

松田 一成  京都大学, 化学研究所, 准教授 (40311435)

キーワードカーボンナノチューブ / 励起子
研究概要

単層カーボンナノチューブは、理想的な1次元構造を有しその光学応答(光物性)に興味が持たれ現在盛んに研究がなされている。しかしながら、その直径や螺旋度によって電子状態や光物性は個々のナノチューブによって著しく異なり、マクロな光学測定だけからでは十分な情報を得ることができない。そのため、光物性の解明には一本のナノチューブでの分光測定などの高い技術が要求される。そこで本研究では、単一カーボンナノチューブ分光をツールとして、カーボンナノチューブの新しい光物性・機能性の発現などを探ることを目的とした。
まず、低温での単一ナノチューブからの発光スペクトルを詳細に調べたところ、一本のナノチューブにも関わらず、ダブルピークを示すものとシングルピークの発光スペクトルが観測された。ダブルピークのスペクトルは、時間とともにエネルギーなどがゆらぐスペクトル拡散現象を示している。このスペクトル拡散について、シュタルク効果を考慮した解析によって、その振る舞いを説明できることがわかった。つまり、このようなナノチューブでは1次元励起子状態と局所電場によって局在した0次元的な状態が混在していることが明らかとなった。さらに、超短パルスレーザー光を利用してナノチューブを強励起した際に起こる、励起子多体効果について調べた。その結果、1本のナノチューブに2つ以上の励起子が生成されると励起子間でオージェ過程が非常に高い効率で起こることがわかった。このオージェ過程は数psの時間オーダーであり、励起子の位相緩和時間に影響を及ぼすことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Exciton dephasing and multiexciton recombinations in a single carbon nanotube2008

    • 著者名/発表者名
      Kazunari Matsuda, et. al.,
    • 雑誌名

      Physical Review B 77

      ページ: 033406-1-033406-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カーボンナノチューブにおける発光現象と電子状態2007

    • 著者名/発表者名
      松田一成
    • 雑誌名

      マテリアルステージ 7

      ページ: 29-32

  • [学会発表] Exciton-phonon and exciton-exciton interactions studied by micro-photolumine scence spectroscopy of individual single-walled carbon nanotubes2007

    • 著者名/発表者名
      K. Matsuda, et. al.
    • 学会等名
      2nd Workshop on Nanotube Optics & Nanospectro scopy WONTON'07
    • 発表場所
      Ottawa, Canada
    • 年月日
      20070604-07
  • [備考]

    • URL

      http://www.kuicr.kyoto-u.ac.jp/a_topics/topics_080229.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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