研究課題
本課題では、光子の量子位相ゲートの実現を目指し、本研究期間内に、中空フォトニック結晶ファイバ中に閉じこめたアルカリ原子の微弱光、単一光子に対する応答を研究する。今年度は、(1)量子位相ゲートに関する理論解析(2)デバイス構造設計(3)実験装置の設計・構築の各項目について次のような研究を行った。(1)量子位相ゲートに関する理論解析1次元FDTD法とブロッホ方程式を組み合わせ、キャビティ中に閉じこめられた原子の微弱コヒーレント光に対する応答を解析した。その結果、Q値が小さい場合には、非線形位相シフトの大きさは原子位置に強く依存するが、Q値が大きい場合には原子位置依存性が小さくなることが明らかになった(投稿準備中)。この結果から、中空フォトニック結晶ファイバに関しても、その閉じこめQ値の影響を調べる必要が考えられる。また、量子位相ゲートの評価方法について検討を進め、その結果を線形光学素子を用いた量子位相ゲート素子について適用し、妥当性を確認した。(2)デバイス構造設計中空フォトニック結晶内部での電場強度や、光閉じこめの方向依存性について計算するための準備を行った。当初、FDTD法による解析を中心に検討したが、解析領域の制限などから、数値的なモード解析法を併用することにし、必要なソフトウェアについて選定、購入を行った。(3)実験装置の設計・構築実験装置の基本的な設計を行った。また、フォトニック結晶ファイバとシングルモード光ファイバ間の反射損失等を検討するためのビームプロファイラを購入した。真空チャンバの設計についても検討を進めた。来年度は、項目(2)、(3)について引き続き検討を進めると共に、真空チャンバの構築を行いたい。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)
Phys. Rev. Lett. 95,21
ページ: 210506/1-210506/4
オプトロニクス 24,285
ページ: 154-157
応用物理(特集;応用物理における計算科学の現状と将来展望) 74,8
ページ: 1069-1074