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2005 年度 実績報告書

解離片のエネルギー状態に着目した内殻励起分子の解離機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17685002
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 和正  広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90294511)

キーワード軟X線光化学 / 反応動力学 / 分子内エネルギー移動
研究概要

内殻励起光化学の興味の一つは,分子の内殻励起に伴う特異な反応過程を詳細に調べ,これを積極的に活用することにある。すなわち,適切な単色光を用いて分子内の隣接する原子を識別して光励起すれば,内殻電子の局在性に起因する化学結合切断のメカニズムを探ることができる。その目的のため,本研究では「解離片の運動エネルギー」に着目して内殻励起分子の解離ダイナミクスを考察する。初年度である本年度では以下のことを実施した。
(1)フッ素原子を含む有機化合物の内殻励起・解離ダイナミクスについて系統的に調べるために,手始めとして最も単純なCF_2CH_2分子を取りあげ,分子の内部エネルギー状態の解離への影響について調べた。具体的には,各炭素内殻からπ^*共鳴への遷移に注目し,光子エネルギーを徐々に変化させて,振動励起効果による解離片CH_2^+とCF_2^+の運動エネルギー分布の変化を調べた。C_Fls→π^*遷移において,振動励起の程度とともにCH_2^+イオンの高運動エネルギー成分が増加するとの結果を得,内殻励起分子の解離に対しても分子振動の効果があることが分かった。フッ素内殻領域のデータ解析と,分子歪みを有する四員環化合物での実験が進行中である。
(2)運動エネルギーをもった解離生成イオン種の測定を簡便に行えるようにするため,マスフィルタ型質量分析計を導入した。生成イオンの検出効率を上げるための調整を鋭意進めている。
1の研究においても,我々が以前に別の分子で見出した,擬似二原子分子的な解離メカニズム(インパルシブ・モデル)の存在が見つかった。今後,V字型の分子に対しても同じモデルで解離片の運動エネルギーが解釈できるか,検討を進めたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Vibrational effect on the fragmentation dynamics of the C K-shell excited CF_2CH_22005

    • 著者名/発表者名
      K.Okada
    • 雑誌名

      J.Electron Spectrosc.Relat.Phenom. 144-147・1

      ページ: 187-189

  • [雑誌論文] Shake-off of loosely bound electrons in Auger decays of Kr 2p core hole states2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Morishita
    • 雑誌名

      Phys.Rev.A 72・4

      ページ: 044702-1-044702-4

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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